BB写真帖


「BB賛歌」

「BB」、それはブロードバンドではありません。
Bure・Boke の略から生まれたKanさん命名の新しい写真のジャンルです。
このプロジェクトの誕生は、2001年の12月にさかのぼります。
Kanさんは、皆さんご存知のように70年代は社会派カメラマンとして活躍し最近の作品でも 社会派のエッセンスをちりばめながら人の温かさを撮るわたしの尊敬する写真作家なのです が、この頃、悪い知人の手によって妖しいレンズの世界に引きずり込まれてしまいました。

一方わたしのほうは、数年まえから今の写り過ぎるレンズから浮気の逃避行のすえに、たど り着いた50年〜100年程まえの少し時代がかったレンズ達に執り付かれていました。
レンズのテストと称して、遊んでいるうちにドッペルやトリプレット、そして単玉レンズ の魅力に引き込まれてゆきました。そんなレンズで撮った絵は、大判写真時代からの知人か らは「井田調トホホ写真」と呼ばれるようになってしましました・ ・ ・。
(本当は腕がないから、トホホ写真になるだけなんですけど(爆)。)
Kanさんの「BB」思想とわたしの「トホホ調」の出逢い・共感が、この「BBプロジェクト」 の誕生になりました。

古いレンズというと一般には、まともに写らないと誤解されていることが多いですが、実際 に使ってみると光線具合と絞りの値に注意すると「コントラスト」と「解像度」で劣ること はありますが、現代のレンズと遜色ない写真が撮れることに驚きました。
そして、疑問に感じたのが、なぜこれだけ良く写るレンズ達なのに、作品として残されてい るものの多くが「絵画調や甘い調子のものが流行ったのだろう」ということでした。

技術に詳しい人なら「フイルムや印画紙の感材の進歩でしょう。」という方もいらっしゃる と思いますが、昔の作品でも今のようなキッチリしたものも多数あります。
わざわざブロムオイル法、ゴム印画法やフォトグラビア法などと手間をかけて写真本来の シャープネスを殺すことも多かったのを考えてみると「そのような表現」が好まれたと考え て間違いないでしょう。

日本でも御年配の方には懐かしい「ベス単のフードはずし」が流行ったのも同じような理由 でしょう。わたしもベス単のレンズで遊んでみましたが、フードを付けたままでコダックの 推奨の絞り値で撮るとごく普通の写真が撮れてしまいます。
それがフードを外して絞りを無理矢理開けることで、おなじみの「あの調子」が出てきま す。

「そのような表現」「あの調子」などと曖昧な書き方がでてきますが、今は苦労をしなくて も綺麗な映像が手に入れられる時代だからこそ、作者のこころの表現の一つとして「BBとい う表現」を見直しても良いのではないかと思うのです。

「BB」は、なにも古典レンズだけではありません。現代レンズでの意図的なものも登場する かもしれません。また現像や感材などの効果も含まれるかもしれません。
森山大道せんせいの初期の作品や、キャパのあの一枚も「BB」精神に近いと思います。
撮影対象そのものが「BB」ってこともあるかもしれません(笑い)。


「BB」それは囚われのない世界。
「BB」それは魂の慟哭。
「BB」それは安らぎの空間。
「BB」それは撮影者の心の鏡。
「BB」それは観賞者の心の鏡。
「BB」それは表現の小さな水たまり。
「BB」それは・ ・ ・ ・ ・ 。
そして「BB」に乾杯!

「BBって、何?」の答えはこれから始まる「BB」の作品たちから感じていただければ幸いで す。なにしろこの前文を書いているわたしもまだ手探りですから(爆)。

2002年5月 吉日

Witten by Idac





すごい前文をいただきました。私にはとてもご期待に答える自信はありません。
でも、おもしろいからやっちゃう!

私が写真に目覚めた1970年代は、森山大道氏が華々しくデビューした年代でもあります。たまたま古本屋で買った「日本劇場写真帖」は彼の幻のデビュー作ですが、これを見てショックを受け、写真が必ずしも美しく整ったものでなくとも良いものだと知ったのです。以後しばらくは「ブレボケ」写真にはまってしまいました。
その後、この道からは外れましたが、今もその感性は残っています。

Idacさんという素晴らしい作家にめぐり合え、自由気ままな本気の写真という、ある意味で矛盾したテーマで写真を並べられるのはとても光栄です。

楽しみながら、でも本気でという姿勢で撮りつつけられればと思っています。

May 2002 kan


BB写真に乱入者ありです。「會津元気」さんです。以下のごあいさつとともに、 BB(べべ)ということで写真を頂きました。素晴らしい仲間として歓迎し、 掲載することにしました。

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ベベ論

>写真の説明があれば合わせてお願いいたします。

アルチュウハイマー悪化中『會津元気』高邁な思想では
「ベベ寫眞は BeroBero Encounter Photograph だ」と思っているのですが。
喋っている本人がわかっていないので、絵解きはとても無理でしょう。


 投稿者:會津  投稿日: 7月 2日(火)20時56分27秒


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