ーーーーーーーーーーシンビジューム栽培法(かんたん管理)ーーーーーーー


生育した開花株を前提とする。苗はごく小さいものを除き下記に準じる。


@基本として知っておきたい事項

冬の置き場所は暖房されていない比較的温度変化が少ない場所とする。最悪は夜の寝る前のみ暖房する場所(温度変化)。次に悪いのが玄関(低温と乾燥)とサンルーム(昼夜の温度差が大きすぎる)ただし、サンルームで夜間を通して暖房するのなら温室同等なので理想的。

冬の最低周囲温度は67度が望ましい。それ以下の場合は水をほとんど与えず休眠させるが、花つきは期待できない。

夏は直射は絶対に避け、水分と肥料を徹底的に与える。11月以降は表面が完全に乾燥してから数日後の午前中に水を与える。夜までにある程度乾かないと根ぐされになって枯死する。

夏は雨季で成長し花をつけ、冬は乾季で開花のみの二期と心得ること。

冬は休眠期なので水はほとんど必要としない。最悪は下に鉢皿を置き、そこにも水がある状態。確実に根腐れして枯れてしまう。

作業

注意

1

ごく少ない水やりのみ

置き場所注意・花が咲いたら早めに切って株の疲労を防ぐ

2

   〃

   〃

3

水を徐々に増やす。株分け、植え替え(下旬)

株の休眠中に植え替えなどを行う。その後1週間は水を与えないこと

4

水やりを増やし、下旬から施肥(液体・薄め)

下旬には戸外に出して良い

5

毎日水やり。施肥(置き肥と液肥)

成長期。水と肥料は切らさない

6

   〃(置き肥交換)

   〃 雨の日以外は水やり(薄い液肥を繰り返したい)

7

   〃(置き肥交換)

雨の日以外は水、日光直射は避ける。下旬には置き肥を外す

8

絶対に乾燥させない。肥料は止める

次年度に花が期待できないものは薄い液肥を与える

9

気温の変化に応じて徐々に水を減らす


10

   〃

花芽が見え出す

11

水は数日置き。霜の前(外気温10度以下)に室内へ

昼の温度が上がり過ぎないよう注意する

12

冬の管理に移行

〃 (温度差は花蕾が落ちるもと)

A*****参考*****

このようにして管理すると最低でも一年おきに開花が期待できる。

植え替えはすっぽり抜いて一回りだけ大きい鉢へ。指一本回りがある程度。大きい鉢だと葉のみ増えて花が咲かない。どうしても管理できなくなるまで株分けは避ける。 株分けは包丁でざっくり分けるが、包丁で切られた部分からは新しい根が出るので、根は絶対に崩さずそのまま新しい鉢に据え、 周りに同質の植え込み材をぎっしり満たすこと。

四季型の植物ではなく、高温多湿の雨季とやや低温乾燥の乾季で育つ亜熱帯植物と心得る。特に嫌いなものは、夏の暑すぎと冬の一日の中での温度差。

4から7月が葉の成長期。大きい葉が78枚は無いと花芽はつかない。以後はバルブの充実期で肥料を与えると花芽ではなく葉芽になってしまうので注意。

新芽は1バルブに一本とし、複数出てきたら共倒れになるので欠く。

花芽はシースを軽くつまむと柔らかなので葉芽との違いがわかる。

花が咲きそろったらどんどん切花にする。その後、本体は暖かいところ、花は寒いところに置けば二倍の以上楽しめる。(花を切らないとバルブがどんどん弱るから)

一度弱ると回復に数年掛かる。苗からだと順調でも開花まで34年は掛かる。種からだと7年は掛かるが種はほとんどつけないので繁殖は株分けとバルブ伏せ(特殊につき説明割愛)のみ。

☆業者はメリクロン(メリステムカルチャー)で大量生産するが、買われた後の事は考慮していないので、買った翌年に花が咲くのは稀(弱っているから)

**植え込み材***

 大粒-中粒バーク(木の皮を発酵させたもの)単用か、1/2程度軽石を混ぜたもの。バーミキュライトは混ぜても良いが、土の類は絶対に使わないこと(通気性のある植え込み材で、その中に水を保持するモノが理想なので、バークが理想的。品種によってより乾燥を好むので軽石を入れるのが一般的。軽石のみだと夏に乾燥しやすいので水やりが大変になる。)

***肥料***

 置き肥えは大粒の種粕の発酵済みまたは種粕と石灰その他を水で混ぜて発酵させるが、極めて臭いのでオススメしない。一度に6号鉢で56個は必要。液肥はハイポネックスの1000倍程度を標準とし、薄めは2000倍程度が望ましい。開花を期待できない養成中のものにはマガンプなどを植え込み材に混ぜて与えると良い。