シヤッター不動、鏡筒がたがたということで「修理プロ向き」ジャンクとして手に入れた。出品者は「しろうとです
・・・・」と言う書き出しで説明をつけている妙齢(詳細不肖)の女性だからご存知の方も多いはず。
アイレスは多くの方、特に古いカメラに詳しい方に愛用者が多い。私はこれが発表された頃には一眼レフ
一辺倒だったからまったく知らなかった。太陽堂なんてカメラメーカーは存在も知らなかったのだ。
だからこのカメラは私にとって新型と言うことになる。
確かにシヤッターセットできない。まったく手ごたえが無いのでどこか外れていると踏んでとにかく
前から分解してみた。
数時間のにらめっこで原因判明。ここ(白線のところ)のギヤが外れてシヤッターチャージしていない。
巻き上げると、巻き上げレバー・巻き上げ軸・ギヤ・レンズまわりのハーフギヤ・シャッターセットレバー
と伝達している。非常に複雑であまり良い構成とはいえない。鏡胴の根本のネジが緩んでがたついたことで、
ここが外れたのだ。ネジを締め、組み立てなおすとシヤッターは正常になった。
白線のところはシャッターレリーズのリンク。こんなところから動かすのはあまり見たことが無い。
ここにレンズの後から出たバーが入り、距離計用のリンクを押す。入りにくくて苦労した。
外観はなかなかきれいだ。交換レンズ(フロントコンバージョン)があるのでファインダーの脇に
視野の説明がある。内側80mm、外側枠45mm全体を使って35oの視野だそうだ。
【作例】
カメラ屋までの道を少し寄り道して、何はともあれネガで一本撮った。
アイレスはあっさりしすぎた色なのでモノクロ向き、という説もあるが、個人的感想としてはカラーもいける。
水の色やお飾りの描写はなかなかのもので、気に入ってしまった。これから時々使いたいと思う。
掲示板仲間のユーレカ!さんからお叱りあり「アイレスバイカウント拝見しました。蘊蓄を傾ける
と Viscount はバイカウント(気障に書けばヴァイカウント)と読みま
す。英和辞典を引くと「発音に注意」とコメントが付いています。」
はい、辞書を引いたらそのとおりです。謹んで訂正させていただきます。「アイレス・バイカウント」が
正しい読みです。
ヤシカ・フラッシュデートとでも言うべき機種。特徴は無いがなかなか使いやすい。
このカメラがいつどこからのものか記憶に無い。おそらく”ジャンク9台まとめて”の中だったと思う。
それだけ印象が薄く、後回しになっていたのだが、写してみるとしっかりしている。この時代のものは
当たり外れが少ない。この後の辺から日本のファミリーカメラはおかしくなってきたのだ。
軍艦部を開けて清掃、モルトの交換など定番作業を行った。壊れたところは無い。
【作例】
定番の場所と室内である。一枚目はレチナVCと同時に同じ場所で撮った。結果は値段相応、
クセノンの勝ちだったが、差は少なかった。最後の子供の顔は急ぎでバックが悪いが
なかなかだと思った。目測にしてはしっかりピントも合っている。
ブッシュマンのレンズボードを利用してピンホールで遊んだ
穴の直径は0.2ミリくらいかな、適当です。アルミ缶を使いました。
意外にしっかり写っている。下に見えるのはブッシュマンのベッド部分、三脚と干渉して完全にダウンできない。
画角は60度以上あり、ライカ版の28o相当よりずっと広い。デジカメ28o相当を並べてみるとわかる。
多少コントラストを調節したり、色を変えたりして遊んだ。
我が家の入り口。幻想的なフレアーがいろいろ出た。面白い絵になった。
と言うわけで、これはいける。次はマルチフォトなどいろいろ楽しんでみるつもりだ。
☆露出時間など、たかさきさん
のレポートを参考にさせていただきました。ありがとうございます。