コニカの連動しないセレン式露出計を持つ距離計カメラ、ボロボロに近いジャンクだった。しかし、以前の
所有者は非常に大事にしていたようで、使い込まれたケースが付属していた。UVフィルターもかかって
なかなかのものだ。
鏡筒を後から外すと一気にこの状態になる。ヘリコイドのみ本体に残る
根本に入っていたスペーサー、いかにも職人が手で合わせたという感じの部品だ。シャッターは完全に固着していた。
そっと剥がすといきなりセルフタイマーが作動し、シャッターが動いた。あとは掃除でシャッター完了。
次はとんでもなくずれている距離計軍艦を開けるのには、巻き上げだけでこれだけのパーツを外す必要あり。
巻き上げだけでこんなにする必要があるのか、あまりの部品点数にあきれた。それにアクセサリーシューの下と
巻き戻しレバーの下のネジでようやく軍艦部が外れる。
距離計は左が左右の、右が上下像の調整点。慎重にあわす必要あり。
これがパララックス補正用の枠を動かすレバー、接着が剥がれていて苦労した。場所を探すのににらめっこを
大分したが、結局枠の下に接着しなおして一件落着、全体を磨いてレストア終了だ。
《試写》
定番の田子浦港まわりで試写してみた。快晴で条件良し。
最後のカットは運転中、ガラス越しだ。(良い子はまねをしてはいけません)
結論は写真が示している。私はとても気に入った。色もピントも非常に良い。
コニカのこのシリーズは安定している。裏切られない描写だ。
コニカは良い
リコーのファミリーカメラはすごい。外れがないというのが亜哉さんの意見。私も同感だ。
このエルニカ 35は尊敬する Range-Finder主宰の ビュッカーさん
からいただいた。なんとも恐れ多いのだが、
ファインダー清掃のみ行った。部品点数が多い。
質感、重量感が良い。ファインダー脇の白いプラスチックはいただけない。
セルフタイマーのレバー紛失以外は特に支障がない。さしあたり軍艦部を開けてファインダーを清掃し、
内部を見た。セルフタイマーレバーはデミのものを流用してつけた。機能しなくても差し支えないので
接着剤で止めてしまった。
《試写》
あいにく雨が続き、私自身も忙しかったのでしばらく待たされたが、今日は晴天で早速限られた時間ではあるが
試写に出かけた。
我が家から3分の定点観測地。電線に邪魔されにくい私専用富士山撮影スポットだ。ピーカンで美しい。
描写は申し分なく、周辺光量など全てクリアーしている。
公園にて
いつもいる人
レンズテスト専用地。モニターではわかりにくいがしっかりピントはきている。逆光でも問題なし。
あやしい彫刻。石の質感が出ている。
全体として少しオーバー気味だったので輝度を修整した。ASA100を150で設定すると良いようだ。
本当にリコーのカメラには外れがない。文句なく良いカメラだ。
ビュッカーさんありがとうございます。