Voigtlander Brillant

フォクトレンダーのブリラント。ピント目測の120判二眼レフなので、ルビテルの本家になる。レンズがスコパーF4.5は非常に暗い。特に大きな問題は無かったのだが、フイルム押さえが簡単すぎで平面性が悪いとたかさきさんよりアドバイスされ、プラスチックシートを重ねた。



先にレストアしたワルツフレックスと比べれば、非常に小さいことが良くわかる。しかし機構は良く考えられていて、特に不満は無い。



ファインダーが見えやすいと言うことで、ブリリアントなのだろうか。名前の由来は知らない。



たかさきさんから「フイルム押さえを強化せよ」という指令があったので、適当なプラ板(パソコン部品のパッケージなどに使われている少し厚めのもの)を切って入れた。鋲の頭が干渉するといけないので、一旦すり落として改めて両面テープで貼ったが正解だった。作業後のカラー編は明らかにピントが良くなっている。流れも無くなった。(サイズはいい加減なので、実施される方はもっときれいに切られたし)

《試写》

モノクロはカーフェリー編にある。モノクロ編へ

カラーはリバーサル、ベルビアだ。



このレンズの描写はなかなかだ。意識してルビテルと同じところで撮影してみたが、味はともかく正確な描写と色ではやはり本家が上だ。現代のカラースコパーに人気があるのも理解できる。
これだけ小さく軽いといつも持ち歩いても苦にならないので、私の常用機に入るだろう。目測と露出さえカンで合わせれば、しっかり描写してくれるだろう。色が少し派手だが。ポジでの描写はルーペでも非常に良かった。スキャナーを高級機に代えたくなった。



ZENOBIAFLEX

外観はきれいだが、シャッター故障でしばらく放り出していた。しかし、シャッターを直さねばせっかくのネオ・へスパーの味がわからないのでがんばってみた。


シャッターがまともに開閉しない。あちこち絡んだ感じで、上からではどうにもならない。よってユニットを分解することにした。



結局すべてばらしたが、印のシャッター羽根の駆動部の動きが悪いことと、羽根の油や錆などの競合で渋いことがわかった。スローガバナーも含め、清掃と注油して組み立てた。羽根の周りはごく薄くシリコンで拭上げた。
これで作業完了とし、組み立ててモノクロ試写をしたのだが、ピントがずれている。レンズはなにもいじらなかったのでおかしいと良くみたら、なんとビューレンズが横を向いて後退している。これではピントグラスに映る画像に異変があって当然だ。モノクロでは前ピンと右側に流れがわかった。まるであおっている様なものだ。
どうも落下品らしい。外には傷が無いが前板をバラスと判明した。前板が変形している。



ビューレンズはまったく動かないので調節できない。最後の手段は「入力と反対の打撃を与える」だ。
万力に軽く固定し、ボックスレンチの頭で合うものを探し、これをハンマーでたたく方法を実行した。 衝撃でビューレンズが欠けたりしないか心配だったが、何とかそれらしくなった。

これで完成として組み立てたが、おそらくまだ完全ではあるまい。しかしこの辺が私の限界なので、これでリバーサルを試してしまった。



《試写》

モノクロ編 はビューレンズを直す前なので、相当の前ピンだ。雨の中の撮影でほとんど開放だからピントのずれや流れがわかると思う。



ひどい条件の割にはしっかり写っている、と思うがいかがだろうか。フイルムはT-Max100を使った。

『カラー編』

レンズボードの修復後にリバーサルで撮った。昨日とは打って変わって快晴強風だ。いつもの定番スポット、田子浦港は、毘沙門天のお祭りでとても近寄りにくいので、富士市民の特権「近くの山」を写した。
私は観光写真には縁が無いが、富士山撮影スポットは一通り心得ている。近くの浮島沼にて撮影した。



遠景、近景とも特にピントの問題は無かった。絞りを開けて撮影も試みたが特に問題は無かった。
レストア成功と言うことにしておこう。キタムラの店員は「濃い色ですね、こういう写真はあまり見ません」と言っていた。感心したのかあきれたのかは不明だが、私は感心したのだろうと思っている。


こういうのがあるとレストアが楽しくなる。(本音)


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