AnscoFlex
およそカメラらしくないカメラだ。何といってもまるで冷蔵庫か屋外物置かというスタイルが面白い。
このカメラはdaddyさんからのご好意による借り物なので、由来などは「Puppy's Daddy」にてごらん頂きたい。名文の解説が楽しめる。



使った感想は「やっぱりアメリカ人用だ」である。過去のコダックのプラスチックカメラに共通するよく言えば割りきり、悪く言えば粗雑さが見事なデザインにこめられている。

これを向けてもカメラだとは思われなかった。しかし、しっかり写るのである。少なくとも昼間には今のネガカラーフイルムなら高級な"写るんです"にはなる。面白いカメラだ。

《試写へのリンク》


EHO Altiflex

Newlonさんから譲って頂いたアルティフレックス(と読むのだと思う)である。といってもどんなカメラか全然わからない。レンズがローデンシュトック、シヤッターがデッケルの名入りのコンパーだから、ドイツの結構ハイレベルの製品だとは解る。
ウエブ検索の結果、ミランダ研究会 の「みらんじ」さんのサイトに丁寧な説明があり、転記させていただくことにした。

EHO は EHO になる前ドレスデンに 1927〜 1928年、ボックスカメラからスタートし た会社だ。EHO は順調に事業拡大を続け、ステレオボックスカメラなど珍しいもの を発売し、経営譲渡など経て次々メーカー名は変わりつつ、6×6 二眼レフ"Altiflex "(1936) や"Altix"(1939) などヒット商品を発売、第二次大戦中もカメラ生産は続 いたが第二次大戦中、ヨーロッパでは最大規模のドレスデン大空襲で完全に工場が 破壊された。(抜粋)

どうも結構貴重品である。症状はシヤッターが単速状態で、レンズが汚れてこのままでは間違いなくフレアーだらけになる。



コンパーの基本形である。スローガバナーが完全に固着しているが、錆は無いのでベンジンに数日浸してみた。回転止めを解除してギアをゆっくり何度か廻すうちに硬いながらも動くようになったので、全体に給油して廻してみたらだんだん軽くなって作動するようになった。
その他の部分も給油してシヤッター完了。
レンズは三群全てを分解し、オリンパスのEEクリーナーで拭いたが曇りは取れない。ラッコ師匠方式でぬるま湯でもむとやっときれいになってきたので、改めてEEクリーナーで清掃してレンズもほぼ光を取り戻した。幸い、傷はないので当初の性能を発揮してくれそうだ。



まさにブリキ細工の面白い構造だが精度が良く、がたついたりしない。問題はピントグラスがほとんど見えないことなのだが、何とたった二本のネジで止まっていた。



ミラーはご覧のとおりの状態なので、交換して前玉回転の上下のリンクを外し、ヘリコイドを微調整してレストア完了となった。



久しぶりの本格レストアだったが、なかなか楽しかった。元の素材が良いものは、基本の手段で正常になる。一度整備すれば、当分故障しないのは材質と基本精度によるところが大きいと思う。

《試写へのリンク》

先ずはモノクロの試写である。

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