つれづれ写真帖 P14 文化祭

仕事柄学校行事には結構縁がある。在学生に誘われることがあるからだ。
今回はその典型、文化祭である。私の母校と、生徒の在学高(かって息子が在籍した)の文化祭が一週間の間に連続した。一部は既に日記に掲載したが、これはそのまとめだ。

《1》富嶽祭



母校の文化祭を「富嶽祭」と呼ぶ。校名である富士を、単に富嶽と文語的な言い方にしただけの芸が無い名前だが、旧制中学以来の伝統なので、変えようも無いのだろう。
毎年テーマがある。今年は「COLORS」だ。果たしてそのテーマに沿っているかはなかなか評価が難しいが、文化部の生徒にとって、3回しか経験できない大事なイベントなのだ。3年生はここで引退し、ひたすら大学受験モードになる。この日がそのターニングポイントだ。



いろいろなイベントをがんばっている。何となくブラブラする、碁譜を片手に石を置く、来客にお茶を出す、呼び込み、チャリティーの参考書を見る、じっと対局、疲れて寝ている・・・

形はいろいろだが、それぞれにこの日を楽しんでいた。富嶽祭に対する思い入れや、取り組み方の温度差が、部活により、また生徒個人によりいろいろであり、それを強制的に統一しようとする感じが無い。良くも悪くも自主性に任せている。
まとまりには欠けるが、遊びも真面目にがんばっているのが感じられた。この辺の感覚は私の頃と変わらないのだなと思う。


《2》東雲祭

打って変わってこちらはライバル高校。息子がかつて在籍していた高校であり、教え子が吹奏楽部員としてがんばっている高校でもある。家から近く、友人が教員として働き、通勤途上にあるので親しみはもしかするとこちらの方が多いかもしれない。



吹奏楽部によるマーチングである。華やかで、若さ一杯だ。



どこの文化祭でも見る風景がそこかしこにあった。


吹奏楽部のステージ発表。我々の時代とはずっとカラフルかつハイレベルなステージ、この演奏会の後に部員が増えたというのも判る。

私がなぜこの写真を撮ったかは、私の「つれづれ日記」(6月掲載分)に詳しい。興味ある方は、そちらでご理解頂きたい。こちらでは、できるだけ重複は避け、淡々と伝えたいと思うので。

ご覧になる皆さんのほとんどが、かつて似た経験をされているだろう。
高校時代は振り返れば疾風怒濤のごとく過ぎ、わずか3年のことなのに、いつまでたっても新鮮な感動が残っている。
人生で一番多感な時期、純粋な感性と正義感が、まだ世の垢に染まるのを拒否していた時代の記憶というのは、一生の宝だと思う。
幼稚ではあっても、今の私にこの頃の純粋さのかけらが残っているのだろうか。囲碁に身に付けたものは、生活を泳ぎ渡るための技術とあきらめに過ぎないのではあるまいか。人が歳をとるって何なのか、考えさせられる撮影だった。

富士東高在学生諸君、富士高後輩諸君ありがとう。


使用機材

《1》チノンスプラッシュ・アグファCT100、ローライフレックス・CRDPV、ベビーローライ・アクロス
《2》ニコンF(ニッコール105.200mm)・フジビーナス400、ベビーローライ・RAP、OLYMPUS C2100UZ(最後の5カット)


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