つれづれ写真帖 P15 雨季

頃は梅雨、毎日雨が続く。すっきりした青空はもう一月も見ていない。



夕方、何とか雨は落ちていない。ほぼ一月ぶりに見る富士山。もう雪はほとんど無く、すっかり夏姿だ。もう七月だからなあ、そう言えばこの前山開きしたんだっけ。
晴れたといっても湿度たっぷり、すっきり山が見えているわけではない。どこかおぼろげだ。



高圧鉄塔でカラスが激しく鳴いている。普通の鳴き方ではない。



巣から落ちたカラスの雛はアンテナにつかまってじっと動かない。



親鳥は周りをせわしなく飛びながら叫んでいた。カラスの力ではもうこの雛を巣に連れ戻すことはできない。雛は自活するかそれとも死ぬか決めなければならない。
すっかり暗くなる頃鳴き声はやんだ。雛がどうなったのかはわからない。



第二東名高速道路の建設のためにこのあたりの家は全て引っ越した。建設工事は続いているような宙ぶらりん状態、夏草がかつての家の土台がどこかもわからないほど生い茂っている。それでも現場に貼り付けられたガードマンは、工事現場を守って雨の中で来ないトラックを待っている。



立ち尽くす橋脚は、バブルの墓標に見えてならない。


ペンタックスMV1、SMC PENTAX-M ZOOM 40-80、SMC PENTAX-F ZOOM 28-80
トライX、オリパン400(スーパーフジドール800増感)


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