つれづれ写真帖 P31 30年ぶりに愛鷹山の稜線に立つ


本年2月に絵日記に連載


先日、みやっちと共に愛鷹山へ登った。一部を歩くことはあっても、稜線まで登るのはずいぶん久しぶりだ。 最後にこのルートを登ったのはもう30年以上前の事、足も記憶も途絶えがちだった。NIKON FM-10 NIKKOR 55mm Macro TX


向かうは割石峠、愛鷹山のほぼ中心だ。KONICA C35 TX


道標があった。


ほどなく「大杉」に至る。NIKON FM-10 NIKKOR 20mm TX


大杉の根元。さすがの存在感だ。


次第に雪が多くなり、道は谷間を右左に蛇行しながら、人間の手がほとんど入らない自然林の中を行く。 自然をしきりに写す人がいた(笑)KONICA C35 TX


次第に高度が上がってゆく。昼間も雪が解けにくい気温のようだ。まだここでは少しは日当たりがあり、谷間で風も弱いから寒くは無い。


こんな雪の残り方もあるか。NIKON FM-10 NIKKOR 20mm TX


岩陰に出来たつらら。昼は少し溶け、夜は凍って発達を繰り返している様子だ。NIKON FM-10 NIKKOR 55mm Macro TX


根雪になるほどではない比較的暖かい標高なので、このあたりの雪はザラ目状態である。とはいえそろそろ20cmは積もっている。


以前より沢筋に枯れ木が多い。それもいかにも突然立ち枯れた感じがする。酸性雨なのか他の原因か、あまり気分が良いものではない。ともあれこの頃は晴天だった。



この山独特の安山岩、玄武岩に近く色が濃い。この柱状節理も独特だ。上のガレ場では、ところてんといった感じの割れ方をするものがある


この沢は全体で大沢と言う。どこの山でも一番広い沢に名づけるものだが、この山は例外だ。広さなら南側の須津川渓谷がはるかに長く広い。
命名理由は良くわからないし、ここの地名を知る人も少ない。半分忘れられた沢である。 地形的には、愛鷹山の爆裂火口で、カルデラが崩壊したところである。KONCA C35 TX


かすかな記憶に残る風景が見えてきた。峠はこの向こう側だ。KONCA C35 TX



坂が終わった、見覚えのある景色が見えた・・・

Here we go!

まさに「割石峠」だ。KONICA PEARL TRS Acros



大きな岩隗を長い年月かけて水が削り、沢は稜線部に達した。私が始めて登った頃から見ても、数メートル深くなっている。山は生きているのだ。NIKON FM-10 NIKKOR 20mm TX


峠の標識。あれから何度か変わったのだろうが、相変わらずここに立っている。これを見て達成感が完結した。NIKON FM-10 NIKKOR 55mm Macro TX


この日のみやっちの主武器。なかなか良い質感だ。NIKON FM-10 NIKKOR 20mm TX


峠から一番近いピークに出る。ここは「天狗の畑」と呼ばれている。武田氏の埋蔵金が眠ると言う伝説があり、ある旅館の主人が掘ろうとしたが、突然の悪天候などで妨げられ、天狗の祟りと呼ばれたのはそれほど昔の話ではない。
この一歩先は100メートル以上落ち込んでいる。岩だけでなく、中途半端に土があるので、植物があるからわかりにくいが、落ちたら助かることは無いだろう。


振り返るとみやっちが何かやっている。彼はついにここまで来なかった(笑)
20ミリの効果で広く見えるが、せいぜい畳十枚程度、テントを建てたら見晴らしが良いが、風が激しく当たる。夜はうるさくて眠れないだろう。


これは南。昨日のものを横に広げてみている。左のピークは袴越嶽(第一展望台ともいう)、右は大嶽(ほとんど登山対象にならない)という。どちらも地図には名が載っていないだろう。
私は中学以来何度も登っているので、このどちらも何回か登っている。ピクニックは無理だが、面白い山なのだ。

東には蓬莱山という小ピークがあり、その先には鋸嶽が続く(このピークの裏になる) ここから先は多少とも岩登りの要素が入り、みやっちは(未経験者ならほとんどの人が)一歩も進めなくなるのが見えているので、ここで引き返すことにした。NIKON FM-10 NIKKOR 20mm TX



元来た道を戻る。峠まで0分という看板まで下ってきた。以後は暗くなってきたこと、同じ景色の繰り返しなので、ほとんど写さず黙々と下った。NIKON FM-10 NIKKOR 55mm Macro TX


上り口では、みやっち号が律儀に待っていた。

一日を振り返りながら、充実した気分で帰途に着いた。

Thank you.



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