社名は Marshal 出した製品はこれ一台。
マミヤの創業者の趣味で作られたというカメラだ。610さんの使ってみたいかという誘いに即乗ってしまった。先輩諸氏の素晴らしい作品を見ているだけに、自分が写したらどうなるかを知りたかったのだ。
良く使い込まれてついに故障し、食堂の飾りになっていたそうだ。故障はピント調整不能とファインダー不良。ピントについては610さんが直してから送ってくれたので、まずはファインダーから。
ハーフミラーが完全にダメである。指で触っただけで蒸着が消えるほどで、どうするかが問題になった。
610さんの提案は、一回り小さいハーフミラーで処理したらどうかということだった。
中央に以前いただいたアクリルのハーフミラーを付けてみると、結構見られる。これならピント位置のみでもいけそうだ。
最終的に、ポンチで打ち抜いたハーフミラーを中央に固定した。
ファインダーを覘いたところ。この画面では近すぎて良くわからないかもしれないが、二重像がしっかり見え、使える。周りは素通しなので極めて明るい。
二重像は、上が上下、下が左右の調整点で、先ず問題ない範囲に収まった。下の矢印の右が距離形用カムで、105ミリと150・180フロントコンバージョンは蛇腹の繰り出しで切り替わる仕組みだ。ずいぶん凝った仕組みである。
ついでだからこのあたりは全て分解し、洗剤で水洗いしたら、すっきりきれいになった。
左側面。蛇腹の繰り出し機構と細いシャッターレリーズのリンクなどが見える。スペースの利用はゆったりしたものだ。
右側面。真鍮のギヤは610さんが作ってくれたもの。多少のバックラッシュなどはあったが、注油で楽に動くようになった。
下のカバーを外したところ。レンズボードの繰り出し機構などはしっかりしたものだ。
レンズボードを最大に繰り出したところ。複雑で強力なリンクで精度がとても高く、蛇腹式でもズレの心配はまったくない。
全体をクリーニングして文字の墨入れや塗装のタッチアップをして完了した。
《試写》
最初にアクロスで試したのだが・・・
見事に後ピンだ。すぐに再調整した。
今度はピントは良さそうだ。ここからプレスト
カメラの評価用にはいかがなものか・笑
こういう動きのある絵にも対応した機動力があると解釈願いたい。田子浦港の白灯台付近で、折から接近中の台風のうねりが、岸壁に当って吹き上げているところ。カメラが濡れないようにかばいながらのワンカット。
絞り込んだものばかりでは、せっかくのニッコールの真価がわかりにくいので、雨と霧の中でも撮影してみた。
F8の描写。これを見て、何となくニッコールだなと感じた。説明しにくいが。
この写真の中心部は
先ず文句無いところだ。これは絞りがF4とほぼ開放。
写す前の操作が右手に集中していて、グリップが良いので使いやすい。