HOLGA 120S>


今回は新品カメラである。レストアではなく、改造を依頼されて引き受けた記録だ。

改造などと大げさな話だが、Nママさんの新品ホルガを66仕様にしてちょっと付加機能をつけて欲しいというものだ。

ロモと同系列とは言え、ホルガは完全なプラカメ、玩具といってかまわないものだから、ペラペラのプラスチック製で単玉・単速・単絞りと「タンタンタンダマ」なとほほカメラ、性能を求めるわけではないが、もう少し普通にしようということだな。



フイルムの緩み止めを入れる。供給と巻き取りの両方に適当なバネを入れた。巻き始めは供給側、巻き終わりは巻き取り側のばねが利くようにセット。ついでに裏ブタに透明のプラスチックの薄板でフイルム押さえもつけ、フタのすき間に毛糸を入れて遮光。



反射防止塗料で内面反射を気のせいくらいは防止するようにしてみた。645のフイルムゲートは切り取って66に改造(この写真は外した状態)



三脚ネジ穴をつける。あまりにペラペラなので切り取った部分で二重化した。



シャッターにバルブ機能が欲しいというので、開放ストッパーを付加。真鍮の棒でシャッターを開放状態で止める。手を離せば閉じるので、三脚にでも固定すれば長時間露光が可能だ。
一枚目がバルブ状態、二枚目は普通の状態、止められないのでシャッターは普通に開閉する。



切り替えレバーのみで機能していない絞りを入れた。材料は何かのワッシャー。推定でF22になるだろう。シャッターがヤクザだから正確な露光は無理だが、昼間にかろうじて400のフイルムが使える。(希望・笑)



巻き上げテスト。タケノコ巻きにはならず、きっちり巻ける。フリクションも適当で使いやすい。



これにて完成。一本だけプレストで写してみた。

《試写》



いつもの港。まあまあだ。



四隅をトリミングしてみた。一応絵になっている。





テーブル三脚に乗せて、生徒に頼んでバルブのテスト。絞ったまま1−2秒だ。これなら花火の撮影などでも面白いだろう。いろいろ使い道があるからバルブはヒットだと思う。



これも少しトリミング。四隅の落ちは予定通り。少し光漏れも予定通り。これ以上光漏れを止めるとホルガでなくなるので、これにて完成とした。



この距離でも使えると思う。

こういうカメラは予想外の絵が撮れるから人気があるのだ。予想通りだったらつまらないだろうと思う。本体は安いがオプションパーツは笑えるほど高い。人気にオンブして荒稼ぎという図式が見え隠れする。
この記事がこれから改造しようとする人の参考になれば幸いだ。

☆本格的ホルガ写真はNママにタッチ!


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