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NICCAはライカDV、つまりバルナックコピーのカメラだ。ひょんなことから預かった。しかし、35oのフォーカルプレーンは私には鬼門である。どうにも触る気が起きないまましばらく放り出していた。しかし、動かないのはカメラでは無い。ここはいつもお世話になっているトムさんにお願いするしかないと泣きついた。



見事にレストアされて帰ってきた。感謝感激だ。

ニッコールはだいぶ傷があるが、トムさんの試写の結果からまだ使えそうだ。まさにライカそのものという形は小さいながらも価値のあるカメラを匂わせる。





名前を入れる位置から書体までライカに似ている。







どこも滑らかに動く。これは写してみるしかない。

《試写》

全てイルフォードFP4+による。



台風でタイルが剥がれた白灯台。



富士川河口で会った人



腐食したところに台風の波で叩かれて曲がったパイプ



暗い空と波



頭上を通り過ぎる軽飛行機。このカットは200mm相当くらいにトリミングしてみた

☆フイルムを二本通した感想は、「フェドの方が使いやすい」だった。
何とも装填しにくいフイルムゲートは最悪だ。こういうのを「確実に写すための儀式」なんて喜ぶ人の気持ちはわからない。急ぐ時には使い物にならない。ニ軸のシャッター調整は低速をあまり使わない私には問題は無いが、35oで距離計と一体で無いファインダーは、撮影のテンポを大幅に妨げる。
確かに、滑らかで静かなシャッターや、手に持ちやすい形は認めるが、このレンズだけフェドかキヤノン7で使おうと思った。
そのレンズの、どこにピントがあるかわから無い不思議な描写は、多用すると飽きるが、たまには使ってみたくなる不思議な魅力がある。これがオールドニッコールの味なのだろうか。

ともあれ、まったくどうにもジャンクなカメラを、ここまで完璧に治してくれたトムさんの好意と技術に頭が下がる。食わず嫌いを直して35oフォーカルも自力更生するようにしなければ。


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