これは昨年仲間のHIROさんからいただいたものである。HIROさんにはアンソニーAを斡旋してもらい、それを引き取りに岐阜まで行った際にお土産としていただいた。
大きく壊れた部分はなく、既にレストア済みだったので、そのうちに試そうと思いながらそのままになっていた。
巻き上げカウンター不調なので給油を兼ねて開いた。実に簡素な作りで、距離計は非連動だがこれはなかなか使いやすい。
むしろ問題だったのは、レンズボードが垂直になら無いことだ。
ストッパー部分の緩みと判明、スペーサーを追加して完了。
レンズは日東光学の、Kominar 1:3.5 f3.5 でとてもきれいなので試写が楽しみだ。
《試写》
水の描写。このカットはシャッターが引っかかったか非常にオーバーなのでその点は考慮願いたい。フイルムはプレスト
ほぼ同じところ。こちらも少しオーバー
このカットのみ不思議な感じになった。理由はまったく不明だが面白い
激しいコントラストの中で、順光ではしっかりした描写が感じられた。海辺の強烈な明るさでもハイライトが飛ばなかったのは優秀だ。
実は、このカメラのカウンターが直っていない。35oが使えるようになっている関係で、カウンターが複雑なのだが、フリー状態にならないのでスタートのためのセットが極めて面倒だ。赤窓は645用なのでこれも使えず苦労した。
そんなわけで、まだ不本意だが一先ず発表した。これから使っていくうちにもっと良くなるという気がする。
《追記》
このカメラを新進気鋭のカメラマンに譲ることになった。過去記事では使い方の間違いなどがあるので、あらためて
使い方を書くことにした。
前から @フイルムインジケーターAシャッターB前板開ボタンC巻き上げノブ
AとBが逆のカメラが多い。右シャッターなので使い易い。
後から @カウンタースイッチA距離計窓Bファインダー接眼部C距離計調整部D赤窓E赤窓開閉ボタン
@は66では常にこの位置。中に枠を入れて645(16枚撮り)とする時には反対のFにすると巻上げストップしなくなるので、
Dで裏紙の数で合わせる。距離はAを覗きながらCを廻して二重像を合わせ、数値を読み取ってレンズの距離指標を
合わせる(単独距離形式)レンズは連動しないので、これを使わず目測で写すのは無限遠などには便利。ファインダーの
実視野率は低いので、パララックスは実質的に無い。見える範囲は写るが、実画面は大きいので撮影結果で覚えること。
前板は斜めになり易いので、意識的に下を先に出すように誘導すること。
フイルムを入れる前に指標の位置を確認。ノブの位置(黄色)と固定指標(ピンク)が大体このくらいになっているのが正常。
進んでしまっている時はカウンタースイッチを一時的にFにしてこの位置まで廻し、Sに戻しておく。
巻上げ用の空リールを入れる。先ず上の巻上げ部(黄色)を入れ、この写真の状態にしてから下のノブ(ピンク)を引いて
下側を入れる。
フイルムを反対側に入れてリーダーを引き出し、スタート矢印がこの位置になるまで巻上げる。本来は印の位置が正しい
ポジションだが、現代フイルムだと裏紙の厚みが薄くてコマ間隔が狭くなったり重なるため、少し多めに巻く。
フタを閉めて巻くとカウンターが起動し、一枚目を出して止る。以後はシャッターを切ると巻上げがフリーになるので、
写したら即巻上げておくこと。(習慣にすれば二重写しが避けられる)
@絞りAシャッターセットノブBシャッター指標Cシャッター目盛りD距離設定部E(両側同時)前板収納レバー部
☆撮影の流れ
カウンターの指標確認(Sが出ている)
巻上げリール装着
フイルムリール装着
リーダーを引き出し巻上げリールへ指し込む
スタートマークが所定位置に来るまでフタを開けたまま巻上げる
フタを閉める
1が出るまで巻く
距離計で距離確認・レンズの距離設定
絞り・シャッター決定・シャッターセット
レリーズ
巻上げ
以下繰り返す・・・
Feb 2016