MIRANDA SENSORET>




ミランダはファインダー交換式の35o一眼レフでは日本のパイオニアである。営業的にヘタだったことが災いして消えていったが、私には高級なカメラを少数作った会社として同時代の記憶がある。ほとんどが一眼レフで、ファミリーカメラはこのセンソレットただ一機種、それもどこかのOEMかと噂されるほどの一眼レフ専業メーカーだった。
いつかは写してみたいと思っていたので、外観のきれいな個体だけに、何とかしようとボケた目でがんばって見た。
今回手に入れたのは、他のカメラのおまけにくっついてきたジャンクで、巻き上げ不良、カウンター動作せず、露出計不動、距離計不動、レンズのみきれいなものだ。



巻き上げを見ようと下を開けたら何にも無い。



カウンターも巻き上げ関係も全て上にある。



これが単独にしたカウンター部。バネの掛かりが悪かった。この下に巻き上げのラチエットがあり、そこの固着が原因だった。一応復活したが、引っかかったのを無理に巻き上げているので、ラチエットの先の掛かりが悪く、時々巻上げが空ブリになるが、完全には戻せないので注意して使うことにした。



電子カメラが大嫌いな私なので、普通はここまで分解することは無い。しかし露出計と距離計のためにあえて分解した。露出計は電池ボックス周りの配線の再半田付けで復活、恐怖のリッツ線は元気なので触らないことにした。露出不足警告ランプは球が切れているが、特に問題ないのでそのままにした。
距離計はレンズ移動アームの固着だったので、外して給油した。当然ピントがずれると思ったのだが、組立だけでしっかり直った。組み立て精度がとてもよいことがわかる。
内部構造は独特のもので、独創的なフラッシュマチックも他では見たことが無い。まったくのオリジナルであり、OEMでは無いと確信した。



《試写》

いつもの通りアクロスだ。



夕方で雨なので非常に暗く、ピント合わせの閑も無かったがとにかく写した。諧調は確かだ。



家の前の畑。並んでいるのは収穫後の生姜の不要部分。この機械でバラバラに刻まれて、畑にまかれる。後がフレアー的なのは理由不明。カビは無いので、雨上がりの湿気のせいかもしれない。



知り合いの幼稚園生。お気に入りの玩具のご披露中。



田宿川。激しい輝度差だが何とか出た。



水の感じは曖昧さがなくて良くわかる。

時々巻き上げ不調になりながらも何とか一本写した。巻き上げの再整備をしたので、何とか使えるが無理は出来ない。それでも使えるようになったのだから、結果には満足している。
非常に堅実で、真面目に作られたカメラだと思う。
カラーは間もなく仲間のBIN組長の、「道楽親父のカメラの小部屋」にアップされると情報があるので、そちらでごらんいただきたい。(人任せモード)

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