虎の穴シリーズで布袋さんから飛んできたもの。前々回のビューティーフレックスの簡易バージョンで、レンズはJ Beauty F3.5 シャッターは簡易型で、B、1/10秒から1/200秒までである。
ちょっと変わっているのはシャッターセットで、上のレバーを持ち上げるタイプだ。内部が大きなレバーで動く形式は、簡易シャッターに多い、ストロークが短くてセットする力が大きい。
シャッター速度が怪しげなので分解してみた。
予想通りの単純明快なタイプ。リコレットなどと似ている。セットレバーの根元がシャッター開閉レバーを蹴って開け、途中でスローガバナーに引っかかり、設定タイムでレバーが外れると閉まるタイプである。この形は極めて部品点数が少なく、よって故障率も低い。メンテナンスが容易だから今となってはかえって信頼性が高い。羽根の整備さえしておけば、雪山でも凍らないことがわかる。複雑化で信頼性が低くなりやすいこの後のカメラを考えると、カメラの性能とは何かと考えさせられる。数点の速度が得られ、とにかく写せることは貴重だ。
少しの給油で快調になった。
レンズの周りが完全に錆落ちていたので、耐水ペーパーできれいにして、水性ウレタン塗料で刷毛塗りした。下地が良ければこれで十分きれいになる。(息子のエアブラシを借りるまでもなかった。)
《試写》
いつもの通りアクロスによる。
港で会った人。古いトランジスタラジオを聞いていた。曇り空で今にも雨が落ちてきそうだ。
暗い堤防の切れ目
近くでトライアルの練習をしているグループあり。断わっていろいろ写してみた。
これは速度不足でウイリーの高さが足り無いから、エンジンガードをぶつけて失敗する寸前。初心者と見た。
こちらはリーダーの試技。思い切りが良いからすっきり上がっている。ギャラリー(私)を意識して勢いが良すぎて少しぶれたのはご愛嬌だ。
暗すぎて、F3.5開放でASA100のフイルムでは1/200秒は使えなかった。1/100秒の結果だから少しぶれても文句は無い。写ったから良しとする。
私の町は富士山の湧水が豊富だ。この川もその湧水が水源である。毎年、たらいに乗ったレースがある。腰ぐらいの深さで静かだがどんどん流れている。最近は野鳥も戻ってきた。
先日のこのカメラの兄貴分のビューティーフレックスと比べても、どちらが上という気はしなかった。廉価版は描写も劣る、なんてことは無いのがカメラの奥深さか。