このカメラはシャッター故障でdaddyさんから昨年お預かりしたものだ。
「音はすれどシャッターは開かず」と言うもの。プロンタータイプに良くある故障で、羽根の開閉のみできない場合は、シャッターのチャージレバーの根元にある、カラスのくちばしのような部品のバネが外れたときに起こる。
黄色い印のところがシャッターチャージ部。
ここについている。
これがその部品。少し見えているバネはシャッター駆動用で、問題のバネははるかに細く、髪の毛の半分くらいなので、拡大しないと良く見えない。
このカメラではここが根元から折れていた。交換以外に方法は無い。
ここでストップしてしまった。ちょうど良いヘアライン並みのバネがなかったのだ。おまけに作業が非常に細かい。
と言うわけで、放り出していたのだが、daddyさんとオフ会で会うことになってしまった。直さないとちくちくやられるのは間違いない!
パパ(daddyさん)恐さで必死にバネを探し、手見当で似たようなループにしてやっとのことで組み込んだ。良かった良かった・・・
しっとりとした描写で、高級仕様のテッサーに負けないノバーである。コンディションは良い。
と言うことで、記念撮影。シャッターはバルブが利かなくなってしまったが(このバネも飛んだ)その他の秒時は何とか動いている。一本写したら即返して、後は知らないぞ・笑
《試写》
まさに試し撮り。この12枚だけはシャッター故障するなと念じつつ写した。パパのところでまた故障したら、後はこの報告を見てどうぞと逃げよう。フイルムはアクロス。
非常にコントラストが低かったのに、しっかり写っている。さすがである。
これは完全な逆光だ。それでもここまで写る。蛇腹の強みだ。
このカットから後は全て光線曳きになってしまっていた。これは3センチ程度の部分からの切り出し。それでもシャドウはつぶれずに調子がある。
不純な心で試写したので、カメラに叱られたようだ。しかし、さすがの写りに感心した。
このカメラの本当の姿はdaddyさんのページにてごらんいただきたい。