FUJI TELE CARDIA SUPER DATE

ジャンクワゴンにはよくフジのプラカメが転がっている。カメラ専業メーカーより実質価格が安かったので、よく売れたからジャンクも豊富なのだろう。まともに動くのがただ同然で撃ち捨てられているのを見るのはちょっと悲しい。
これは、ユキノフさんのところに遊びに行った帰りに手に入れたと思うが、記憶が定かではない。果たして買ったものかどうかも怪しい。机の周りにごろごろしていたが、やっと日の目を見ることになった。




前群が飛び出すと後にコンバーターが入る二焦点カメラで、ズームが一般的になる少し前のものだ。この手のカメラは広角側が良いと言うのが通例だがどうだろうか。



長い名前どおり、裏には日付を入れるようになったデートバックがついている。電池を入れたら1980年を示した。このカメラが売り出されて頃がこれでわかる。



フジ得意のドロップローディングはここでも健在だ。決して使いやすいとは思えなかったのにずいぶん造り続けたのはなぜだろう。懐かしの、「カセット、ポン、後はシャッターを押すだけ」というシングルトエイト(8ミリシネカメラ)の宣伝のイメージにこだわったのだろうか。

《試写》

フイルムは流行のラッキーSHD100である。キャビネのプリントからスキャン。サイズ微調整のみ行った。プリントより多少濃い目だと思う。



広角側35ミリにて。なかなかしっかりした画像だ。



望遠側70ミリ、予想よりシャープできっちりしている。うす曇で100のフイルムだからそれほど絞り込まれていないが、周辺も問題ない。



明るいところで2メートル弱、広角側だが立派なものだ。もっとフラットになるかと思ったが、フイルムの抜けの良さもあって良い描写だ。



室内、広角側で、勝手にフラッシュが出た。これほど暗くする気は無かったが、ネガはこんな感じに上がった。フラッシュのバランスは意外に良い。カラーモードで取り込んだ。
モデルは友人の中華屋さん、中国家庭料理の店・東唐子(富士宮市)の店主なり。この写真では暗く写っているが、明るくきれいなお店だ。富士宮東高校の南に下がる道の途中、キタムラの南側にある。ご愛顧願いたし。



これも落としたトーンを狙ったわけではないが、絞り込まれていた。もちろん焼きのせいもあるから、普通の明るさにも直せる。

前々から思っていたとおり、この時代はプラカメがタケノコズームになる前の過渡期で、本質的に単体レンズに二焦点にするためにリアコンバーターを使っていて、ズームタイプより無理が少なく画質が良いものが多い。このタイプにはオートボーイテレ6など、良いカメラがある。今回もそれを確認する結果となった。

実は、今回の試写ではデートの切忘れで日付が入っていた(笑)
80 12 1になってしまったのでやむなくレタッチで消している。画質に影響は無いが、その点をご承知願いたい。


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