CANON AF35ML

オートボーイシリーズの二代目、オートボーイスーパーである。



40mmF1.9と比較的大口径のレンズを積み、初代に比べて相当の進化をしている。



横長の初代の左右を縮め、現代カメラに良く見られる右手用のグリップと、前進したシャッター位置は、違和感ないホールドが可能だ。わずかだが初代より高さも低くなり、全体の印象は引き締まった。余分な装飾がなく、すっきりしたデザインはまとめ方がいかにもうまいと思う。

私にとって、プラカメであろうといわゆる高級機であろうと結果と使いやすさが全てである。今回のテストでこのカメラは非常に良いと判断した。理由は下記の通りだ。判断基準はオートカメラに対するもの。

@勝手にフラッシュが光ったりせず、明示的に使える。
Aフイルム感度が手動なので、補正は自分の考えで行える。
B信頼できる距離計で、半押しでロックできる。
Cシャッターにタイムラグが無い。
Dたとえアンダー警告が出てもシャッターを切ることができる。

コンパクトカメラで一番困るのは、すぐに勝手にフラッシュに逃げること。しかもそのフラッシュはチープで、まともに使えるものはほとんど無い。これはズーム比とコンパクトさの追求で、レンズがどんどん退化し、非常に暗いからに他なら無い。
シャッターのタイムラグは動きのあるものにおいて致命傷だ。コンパクトデジカメの激しいタイムラグは私にその手のカメラを使う気を無くさせた原因である。
何はともあれシャッターが切れるというのも重要で、意識してアンダー狙いという作画意図にもこたえられるのはうれしい。



上部は何も無い。シンプルそのものだ。



バックには当時流行り始めたクォーツデート一式と、フラッシュスイッチ、ファインダー、巻き上げ状態インジケーター、電源とセルフタイマー、バッテリーチェックを兼ねるスイッチが配置され、非常にわかりやすい。巻き戻しはモーターながら、慣れれば好きなところで止められるのも良い。

ここに至るまでに、いただいたものやジャンクセットのものなど3台から一台だけ全ての動きがまともなものを見つけ、テストに至った。一台はオートフォーカス不良、もう一台は巻き上げはソンだった。プラカメを直す気は無いので、これらはジャンク箱に直行した。今でも電池さえ入れれば動くものの多い初代より、トラブルが多いのは事実だ。

《試写》

フイルムはラッキーSHD100である。



最初ネガを見て驚いた。海の部分にまったく調子が無いのかと思ったのだが、焼いたらちゃんと出た。



別に特別なことをしてはいない。オートで写してそのままストレートに焼いただけだ。それにしては見事な描写で、ピント精度が極めて良い。オートロンとは大違いである。



プラカメでは3メートルを最も得意とするカメラが多いが、これもそんな感じだろうか。



バックは吹っ飛んだのに人物にはぴたりと露出があっている。良く見ると不思議な描写だ。

オートボーイシリーズには良いカメラが多い。派手さは無いが確実に写しとめる力を感じる。このカメラなら、サブカメラとしてメインと同じフイルムを入れれば、時にはメインを食う働きが期待できる。
残りのカットは来週(June 27 2005 )には日記に掲載を予定している。お暇な方はごらんいただきたい。


MenuTop