KONICA V

「皆もすなる湖丹華参と言うものを、我も亦してみむとてする也」

最初は怪鳥だった、次に驚かされたのがユキノフさん、そこから先は止まるところを知らず、ダデイパパからたかさきさん、610さん、nonakaさん、どるさん・・・もちろん本家、noboさんも持っている、写しているコニカVである。(JFC限定のお話)

もともとコニカが好きだから、指をくわえてみていたのだが、なんとも高い。オークションで動かないジャンクでも5kとはふざけるなと言う感じで数年が過ぎた。
ジャンル違いでタイトルにも名前が無い5台セットにこれが入っていた。間違いじゃないかと良く見たが、特徴ある巻上げレバーは本物だ。即、入札したらライバルがろくにいなくて、ジャンク並みで落ちてしまった。

当然、ぼろぼろだろう、でもまあ形があれば何とかしようと待っていたら、



多少の汚れはあるが、シャッターも距離計もちゃんと動く。



距離計はずれと汚れがあったので、給油を兼ねて開いてみた。



この時代のものには珍しく、自動復帰のカウンター。シンプルだが良く出来ている。



初期のV型なのでパララックス矯正フレームではないが、しっかりしたファインダーで、ハーフミラーも生きていた。



巻上げが多少重いので、少し油を入れたが、まだ少し重いので底を外して見た。
バナナ型のスリットが半ストローク巻き上げギアをまわすのだと判明、この板の上下にシリコングリスを塗ると、劇的に軽く滑らかに動くようになった。
ダブルストロークでは二度ともチャージレバーを押しているが、二度目はセット済みなので空振りするシンプルなメカだ。重さのほとんどは巻き上げ側なので、各部のフリクションを低減するのがポイントだろう。



いろいろレンズがある中で、これには48oのF2.0がついていた。十分の明るさなので、普通の用途に不足は無い。傷やカビがまったく無く、クリアーなレンズなのはフィルターをつけっぱなしになっていたことも寄与しているようだ。



扱いやすいものではないが、このレバーがVの大事なポイント、これが滑らかに二度動けば、巻上げとチャージが同時に済む。この時代としては画期的なデバイスだろう。



フレーム用の採光窓がないので、軍艦部はシンプルだ。





KONICAのロゴがT型以来の昔のもので、実にすっきりしたデザインである。

《試写》

ブレストにてテストしてみた。




ほぼ一杯寄ったところで写した芋の葉。下はその中心部。距離計と近距離描写は良い。コントラストが高く、しっかりした腰がある。





本曇りだったが、金属の質感が丁寧に出ている。





下は大きくスキャンしなおしてみたものの部分。逆光なのと、現像で粒子が荒れているのに、ぴったり表現している。

このレンズ、さすがヘキサノンと感じる。先日テストしたミノルタÅ3も良いレンズだが、これも負けないレンズだと思う。この時代の距離計気のレンズ群の中でも、特に秀でたものだと感じる。諧調の深さ、近距離から無限塩まできっちり出すピントの良さは、まじめに作られた上品なものだと思う。

気に入ったのでいろいろ写している。以後の作品はつれづれ日記にて公開の予定。


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