MAMAIYA AUTO DELUX2
このシリーズはセレン式露出計とLV装備で大口径レンズを謳っている。後のスーパーデラックスまでは大口径ではないが、それでも1.7は明るいといえるだろう。
手に入れたものは、露出計不動でシャッター難ありだった。露出計は別に動いてくれなくてもなんら不都合は無いので、シャッターのみ調べた。
スローが不調で、遅くなるのは単なる油切れだった。給油して完了。
ついでに軍艦部の清掃をした。オーソドックスだが部品とつくりが良く、整備しやすい。
露出計自体は壊れていないが、セレンの出力がほとんど無い。これでは動くはずが無い。手持ちのセレンが終わってしまったので、この整備はパスした。
大きさや重さは標準的で、どっしりした外観だ。
毎度の事ながら、LVは使いにくい。思ったシャッターや絞りをすぐに設定できない。シャッターリングを回しきるとLVの組み合わせが変わるので、そこで改めて絞り側のリングで動かす構造だ。これが普及しなかったのは正にこの使いにくさにあると思う。LV値を単独で知らせてくれるだけで十分だ。AEになる前の過渡期の混乱の賜物かもしれない。
《試写》
使いにくさとカメラの性能は関係が無い。ブレストでテスト撮影してみた。
ほぼ最近接での撮影。なかなか諧調の再現性が良い。ハイライトは少し飽和気味だが、カン露出が明るいものには少しオーバーだったから。ピントはしっかりしている。
斜光線でフラットな海面と条件が悪いが、しっかりした画調になった。
壁のいたずら書き
上のカットの部分。これも1メートル程度で撮影だが、実にしっかりした画像である。
雨の中、相当に暗いがまずまずの画質か。
上のカットの部分。開放に近い2.8だが、まあ使える画質だろう。ただし、周辺部では多少の乱れを感じた。もちろん、実用にはなんら問題ない。
つくりと同様に手堅い描写のカメラだ。特に際立ったところは無いが、癖が少ないのでどんな撮影も確実にこなすだろう。ファミリーカメラの要件を満たしていると思う。