Rollei CordV

ユキノフさんのところから飛んできているコードVである。
ローライコードはU型を中心にいろいろ使っているが、これは典型的なスタイルのコードVで、シュナイダーのクセナー75mmF3.5がついている。



使い込まれているがどこにも故障は無く、全て快調なので掃除のみ実行した。



ウラブタの角の塗装は全て剥げているし、レンズ周りには長い間外爪フードをつけたままだったらしいこすれと汚れがある。実際に使い込まれた個体だと良くわかる。外観は悪くてもこういうカメラはあちこちが固まったりしていないから信用できる。

カメラとしてはまさに二眼レフ普及機の典型、お手本のようなもの。国産二眼レフの多くがこれに倣い、一部では部品さえ共用できるものがある。特に内爪のバヨネットによるフードやフィルターは、これが規格化されたようで、手持ちの各種二眼レフ用が使える。気絶するほど高いフレックスのものを探さなくても良いのはありがたい。

《試写》

ブレストで行った。撮影は9月なので季節感がずれたものが多いがご容赦願いたい。



同時に写したマイクロフレックスに比して、こちらの方が輝度差には若干強いかと思う。内外の光の差ははなはだしく、ここまで写れば素晴らしい。



これもマイクロフレックスより軟調だが、描写は良い。絞り開放で写したのだが、アウトフォーカスが乱れないのは三枚玉のトリオター付とは同じコードと名乗りながら別のカメラと感じる。



これはすさまじい逆光で、画面のすぐ上には太陽があるにもかかわらず、暗部もちゃんとでて崩れない。内部は簡単な反射防止塗装だけなのにこの結果には驚いた。



人物の表現も悪くない。意外にも人物ではコントラストを感じる。



1/500秒で22と一杯に絞り込んだ。濃い目に仕上げてあるが、明るくすれば暗いところにも全てちゃんとした調子がある。クロ潰れしているわけではない。

安定感のある実にしっかりしたカメラだ。トリオターでは絞りや撮影距離を神経質に考えなければならないが、これは素直な写し方で裏切られない。さすがの実力だ。重くて大げさなフレックスと比べ、はるかに安価で軽いコードの存在価値を感じる。400のフイルムを入れればほぼ万能(接写は無理)だと思う。


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