FED 5
この赤い皮を身にまとった目立つフェドは、BIN組長からいただいた。いただいたと言うより、正確には切り番を(強引に)ゲットし、記念品として(無理やり)奪ったものである。従って、関西に足を向けて寝られないこととなってしまった(笑)
カメラとして大きな不具合箇所は無い。しかし、距離計がずれていることと、アイレットが無くて持ち歩きに不便なので、軍艦部を開いてみた。
開く途中で確認したが、距離計は軍艦部を外す必要は無い。前から見てネームプレートを横にずらすと外れ、この調節用の穴が見える。向かって左が上下像、右が左右の調整で、形は変わっても、バルナックコピーの基本はそれほど変わっていないのがわかる。
レバー巻き上げまわりはカウンターが乗っていて、これを外すと簡単にアクセスできるが、カウンターは結構難物だ。私は記録しないで分解したら、組んでも機能しなくなってしまった。注意が必要なポイントだ。
巻上げ部分はスマートでなく、それに合わせてその他の部分をかさ上げしてある。このあたりのつくりはあまりほめたものでは無いが、ゆったりしているので作業性は良い。
しかし、シャッターボタンはあきれるほど変な位置にあり、作動が重いので低速だとカメラブレが出る。カウンターがあまりに背が高すぎることが原因だ。
給油してアイレットを追加し、シャッターボタンはセメダイン・スーパーXで大き目のものを接着した。これによってシャッターの高さが増し、面積が広がったのでソフトレリーズになった。徹底清掃でメッキがぎらぎらと輝いて、いかにも妖しい・笑
レンズはインダスター61、黒鏡筒である。
《試写》
ブラ撮りに出かけたついでにテスト撮影したので、いきなりリバーサルと言うことになった。
KODAK E100VS にて
激しい輝度差だがちゃんと出た。
室内の開放でもしっかりしている。
逆光でも崩れずに暗部もしっかり出ている。フレアーやゴーストもまったく無い。
BIN組長とのお約束の赤いものもそつなくこなしている。距離計も大丈夫だ。
ソビエトカメラだから、いろいろ言いたいところはあるが、基本的な機能は実にしっかりしている。これは中古ではなく、デッドストック品との事で、コンディションは非常に良い。
インダスター61は発色が鮮やかで、ピントも良く、内面反射が少ないから立派なレンズだ。
これは御礼せねばならないが、あいにく組長の好みのトカレフもマカロフも在庫が無い。在庫しているエアガンでは御礼にならないので、さてどうしたものか。。オームが近くにあった頃なら、イリューシンだか、ミグだかのヘリがあったから、あれを強奪すればよかったのだが、まあしばらく考えることにした(笑)