FUJICA PicPAL
カメラの基本機能と言うのは、「フイルムに合う濃度にシャッター速度と絞りで光を調節し、レンズの移動でピントを出す」ことだと思う。これらが出来なければ実用的なカメラにはならないとされていたから、たとえ玩具カメラでも絞りを調節することが出来るのは普通だった。
この常識を打ち破ったのが、「写ルンです」だと思う。レンズつきフイルムと言う概念を打ちたてた画期的なもので、「実用」という点で素晴らしい。
ネガカラーフイルムのオーバーに強い特性を最大限利用し、好感度フイルムと中速シャッターと11程度に絞り込むことで、ほぼパンフォーカスを得ながら輝度の変化に対処し、それを超えたら内臓フラッシュでフォローするわけだ。フジフイルムのこの製品がカメラの普及とフイルム消費に如何に貢献したかは言うまでも無い。
ピックパルは、このコンセプトに巻き戻し機能をつけただけと言って良いだろう。フイルムを巻上げ、暗ければフラッシュスイッチを入れ、シャッターを切る以外に何も出来ない。
外観はなかなかカメラらしい。しかし、焦点距離も明るさもどこにも書かれていない。色違いの赤などがあるそうだ。レンズはFUJINON WIDE 40mm/F8(ビュッカーさん・二枚歯さんより情報あり)
ギアで巻上げるのはまさに簡単カメラの王道。巻き戻しノブとカウンターとフラッシュのパイロットランプ以外にはシャッターボタンしか無い。
内部は完全にプラスチック、カウンターは自動復元とか必要なものはちゃんとしている。
重さは総プラスチック製ということで極めて軽い。大きさはコンパクトカメラの平均的なもので、決して小さくは無いが、持ち歩くのに不満は無い。
《試写》
曇りがちだったので迷わずプレストを使った。
ホームセンターの二階駐車場から
小雨の中の第二東名建設現場
猫まで1.8メートルくらい。ピントの山はもう少し先のようだ
水路の下まで3.5メートルくらい、この辺りにピントの山がある
☆曇りか雨ということもあろうが、明るさバラバラを予想していたのに、拍子抜けするくらいネガ濃度は揃っていた。ピントも実用可能な範囲に収まっている。フジフイルムの力を感じる結果である。こういうカメラが出来たからこそ、「写ルンです」を開発できたのだろうと思う。