FUJICA HD-R
フジお得意の軽防水ヘビーデューティカメラである。主に工事現場の記録用として開発された初代HD−1の孫辺りになるのだろうか。
私はこの手のカメラが大好きである。およそカメラを使う時のタブーがほとんど無い。一番は雨の中でも平然と使い続けられることだ。塩水やホコリの心配が無く、砂浜などでも気楽に使えるのが良い。また、工事記録用だけに、味はともかく精密な描写で安定している点も良い。
数えてみたら、ニコノスTを筆頭に、防水カメラを1ダースほど集めてしまっていた・笑
今回は不動の二台から一台を組んだ。電池ボックス不良と巻上げ不良、その他外観で痛んだところがあったり巻き戻しボタンのカバー部が欠けていたり、どちらもまともではない。
分解は比較的簡単で、巻上げ・巻き戻しレバーと内部の3本のネジを外せば、ハウジングから抜き出すことが出来る。
皮をはいだフラッシュフジカという感じだ。今回は片方がシャッターが動いたので分解していないが、シャッター部は前板の裏側に全て乗っている。比較的メンテナンスしやすいと思う。
こちらはフラッシュフジカのレンズ部。スペックも形態も同じで、距離リングの代わりに上から廻すギアをつけただけと言う構造だ。
ドナーの電池のフタは固着したのを無理に廻したのか、ベースごと回ってしまった。ケースを開いて初めて分解できた。一応スペアの電池フタにはなった。これはHDシリーズのいくつかに共用可能なので、パーツとして保存した。しかし、巻上げレバーはマイナーチェンジがあったらしく、中に入る部分の違いで共用できなかった。
フラッシュのコンデンサーはここにある。まだ不可思議な隠し方はしていないので、電撃を喰らう心配は少ない。
組みあがったものと、ドナーの図
下部の様子。巻き戻しボタンなどシールされたパーツは痛みやすいので、スペアがあると心強い。
このカメラはこういう雰囲気が一番似合う
《試写》
テスト撮影はSSにて実施した。フジノン38o2.8はHD−Tから変わっていないから、写りは想定の範囲内である。よって、いつもとは違うフイルムで様子を見ることにした。
現場写真@、曇で絞りは5.6程度と推定するが、どこにも不満は無い
フラッシュの正面焚きだから、まさにフラッシュを使いましたの絵になる。感度を落としてディフューザーでも付けないと、近距離の人物撮影は苦しい
現場写真A、さすがにこういうところは強い。しっかりした画像で、これなら提出用に使えるだろう。
☆今回使ったSSはこういう精密さを求める写真向きではない。ネガカラーで写せば実にすっきりしたものというのはわかっているので、作画用にはどうかと思ったのだが、十分使える。素性の良いレンズは何で写してもしっかり使えると再認識した。