Pinhole Camera Nr.03

針穴写真機、ピンホールカメラおよそ3号(アダプター式だといろいろ作っている)

これは610さんから以前に頂いたジャンクセットに入っていたポラロイドの古いタイプの抜け殻。4×5に改造した痕跡があった。
レンズは嫁に出したので使い道を考えていたが、4×5ではタスキがあまりにも弱いし調節範囲が限定されるので、ピンホールにすることを思い立った。気が変わればまた別のものにも出来るので気楽に工作した。



薄いアルミの板に二個のピンホールを開けただけだから、製作と言うほどのものではない。以前よりピンホールの作り方が要領よくなった程度か。
ピンホールは60ミリほどにセットして100のフイルムで晴の順光で3秒くらいだ。大体0.3ミリ前後(F=200程度)というほぼ理想的な大きさになった。大きければピンが甘くなるが、小さすぎると露光が極端に長くなるし、ピントも向上しない。0.3-0.4oが基本だろう。



4×5国際規格のバックになっているので、ポラホルダーを入れた。向かって左側からヒキブタを操作するので、少し削り落としたことと、周りに遮光紙を入れて密閉度を高めたくらいが工作と言えば工作。バックはいい加減にテープで固定したが、これでもがたつかないから良いのだ。



このカメラの売りはズームレンズ付だと言うこと(笑)
ジャバラを最長に繰り出せば50度くらいの標準画角、引っ込めると30oだから、69サイズの場合は35oカメラの20oより広角で、4×5を入れたらとんでもなく広角になる。実際には30oは極端すぎて中心と周辺の明るさの差が大きすぎるから、50mm程度が使いやすいか。
ただ、焦点距離が変わると露出も大きく異なる。ポラなら一枚写してから考えると言う撮影方法が可能だ。ロールフイルムを使う場合はピントグラスを使う。



ピンホールはカッターマットの上におき、出来るだけ細い針を垂直に少し突き刺す。裏にバリが出るので細かいサンドペーパーで研ぎ、ルーペで見ながら針を入れて軽く整形しなおす。針はこじらないようにして常に垂直に使うときれいになる。
69と4×5で写る範囲もセンターも違うので、中心に一つとシフトしたところにもう一つあけた。使うフイルムによって内側から遮光し、使うのは一つだ。

画角はアバウトにフレームファインダー(これも610さんより)で行う。主にFP100(実画面9.5×7.2)で使うのでその位置にアクセサリーシューをシフトして取り付けた。その他、センターに三脚ネジをつけたのが工作の全て。

《撮影》

ピンホールカメラはいろいろ使っているし、違いは画角だけなので上がりはわかっている。従って、最初から本番として写している。フイルムはフジのFP100C



第二東名の下を抜けるトンネル、50mm程度





鯉幟が見える茶畑。下は撮影風景。間違えてサイドの三脚穴で乗せてある。100mm程度



第二東名、富士ジャンクション付近、30oの超広角状態。FP100Cのラティテュードの限界に近いか

☆超広角の場合はピンホールからフイルム面までの距離の違いで、見事に周辺落ちになる。普通のカメラだとそれは欠点だろうが、理論どおりのパースペクティブとともにプラスに作用する。可変の焦点距離は思ったよりずっと使いやすいから、こういうカメラの面白さが増す。ただし、露出時間は理論値どおり焦点距離に比例するから、それぞれの長さでいろいろ考えねばならないが、ポラだとすぐに修正可能なので、そういう点でも使いやすい。
ピンホールカメラは玩具ではなく、実にいろいろな使い方の出来るイメージ固定ツールだと思う。
この後いろいろ写しているものは、つれづれ絵日記に順次掲載する。


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