MAMIYA U



黒いドーム球場の模型のような、ある意味不細工なカメラマミヤU、しかし、セコール35mm2.8を搭載して独特の写りには定評がある。売れなかったせいもあるがあまり見かけないカメラで、意外に高い。
所用で出かけた三島の店で発見し、即、確保した。次にいつ会えるかわから無いから、正解だった。



まさに普通のプラカメにとってつけたようなレンズバリア。これが無ければ他の機種と違わないだろう。一目でわかるオリンパスXAのパチモンと言うところか。



上も後もシンプルで突起したものが無い。



内部にも変わった所は無く、操作性は良好だ。



この機種共通でシャッターボタンの上の薄いゴム膜が経年変化で消えている。そのままでも使えるが接点にほこりなどが入らないように、パーマセルテープて覆った。ブラックボディなので目立つことは無く、これで十分使える。

『追加作業』

実際に使ってみると、しぶといパーマセルテープと言えど、テープはテープだった。指で常に押されるのと、スレですぐに端がめくれてくる。気になりだすと感触が悪い。これは何か対策するべしと考えた。



トップカバーの分解はきわめて簡単で、左右と後のネジ3本だけで外れる。ただ、フラッシュをポップアップさせた方が良い。なぜなら、トップカバーはフラッシュのポップアップのガイドにもなっているので軽くかみ合っているからだ。この作業では電池は抜いてある。(電池の入ったカメラを分解するのは感電や故障の元)



黄色いゴムは見事に加水分解している。最悪のベタベタで、これが内部に絡んだら大変なので完全に拭き取った(アルコール入りウエットテイッシュにて)



何を使うか色々考えた。最初考えたフイルム類は耐久力で疑問がある。変形してなじみやすいものだとすぐに切れそうだし、硬いものだ極めて使いにくい。内部のシャッターボタンはわずかだが上に飛び出していて丸い。ここに硬いフイルムだと半押したままになり、使えない。耐久力を気にしなければ、ゴム風船が良いだろう。色も厚みもオリジナルそっくりで、短期的にはベストだと思う。ただし、半年で加水分解するのはまず間違いない。

柔らかくて耐久性があるといえば、シリコンゴムだ。薬屋の頃の知識では、男性用産児制限器具(ちょっとストレートに書きにくいので・笑)と哺乳瓶の乳首である。前者は厚みが0.1o前後とハードな使用には耐えられないのでパス(この辺りの判断は、daddyさんが詳しい・はず)ベビー用品のトップメーカー、ピジョンの哺乳瓶用乳首Lを選んだ。Lは歯が生え始めた乳児の使用に耐えられるように、厚めで耐久力がある。ただし、感触重視なら新生児用のSが良いだろう。
先端部分が丁度この穴にぴったりなので、少し長めに切って使った。



セメダインXで固定した。硬化後に余分を切って完了。この写真では内部に充填しているが、それだと押しすぎになるので充填はしない方が良い。



これにて完成。少しシャッターが重くなったが、使いにくくは無い。透明が嫌なら何か塗料を裏側に入れれば良いが、シリコンはほとんどの塗料を受け付けないので、もともとの色を使うのが無難だろう。ラテックスの乳首もあるので、それを利用するのも一つか。ただし、ラテックスの時間耐久性は大幅に低い。時々直さねばならないだろう。

《試写》

先駆者のdaddyさんの強い勧めでネガカラーでテストしてみた。KODAK GOLD100が安かったので採用



道路の矢印



ガラスに反射した風景



雨上がりの日差し



海岸で遊ぶジムニー

☆容量の関係でサイズを小さくして圧縮してあるから、ピントの点ではすっきり見えないかもしれないが、近距離ではクリアーですっきりした画像だった。無限の描写は今ひとつだが、トータルでは十分な性能だ。小型で軽いがどこにも無理な感じは無く、ユーモラスな外観で被写体に警戒されることも無いだろう。評判が今ひとつのレンズバリアだが、実用性は高い。スナップカメラとして優秀だ。

色について、コダックとの組み合わせだと青に転ぶが、これはいかようにも調整可能なので問題ではない。好みの色味に簡単に調整できるレベルだった。



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