JANOME FOTOMIRROR 104
これは何かと言うと、鏡でカメラである。どう見てもカメラには見えないが、写真が写る鏡なのだ。しかもメーカーはジャノメ、ミシンのジャノメの製品なのだ(笑)
オークションを見ていたらこれが出ていた。何とも不思議なもので出品者は家具屋さん、値付けに困ったのか1000円なり、1000円入れたら誰もついてこなくて落札してしまった(笑2)
明らかに富士のポラパック、それをヒキブタを省略して直接ネジ止めしてあり、向こう側はセパレーターの先に四つのレンズ、良くある証明写真専用のポラの構造だ。
分解はカメラとはとても思えない。家電製品の標準的なネジでとめてあり、ガラス部と本体と枠に分かれる。これは枠である。
こちらがガラス部。厚いガラスの間にハーフミラー(おそらくフイルム)、後にはマスクが入っている。
これが本体。フラッシュとカウンターの配線以外には特別なものは無い。
シャッターは単速で、中央のレバーをバネで弾くと開閉する構造だ。後から絞りが捜査できる。シャッターと絞りの操作はワイヤーで行う。
ここがシャッター操作部だが、レリーズを押してもまったく動作しない。
レリーズからワイヤー、リンクを介してシャッターと続く。直接操作ではシャッターは作動する。
原因はレリーズ部の遊びだった。ワイヤーが伸びたのだろう。調整限界を超えていたので、プラ板を入れてかさ上げしたら動作するようになった。
と言うことで、見かけの動作はするようになった。スイッチとフラッシュか連動し、必ずフラッシュで写す構造である。フラッシュはガイドナンバーも何も表記が無いが、そんな遠くで写すものではないからポラは感度100で使うと見た。
この鏡は何の意味かと言うと、鏡の横に指標があり、自分が丁度そこを中心になるように鏡の位置を直すと、きちんとした位置になるという意味、つまり鏡がファインダー機能を持っているのだ。実際に、この方法は有効で、入る位置が良くわかる。
それにしても、カメラには見えない・・・
《試写というか、遊んでみた》
フジのFP100Bで何はともあれ写してみた。
ただし、普通のL判プリントより小さい画面で大きくスキャンしたから画質は悪い。現物はもっとすっきりしていると見ていただきたい。
まるで指名手配犯(爆)
「本当に婆さんだね」とは母の感想
写ることがわかったのでカラーに交換
泣く孫。近距離過ぎてピントがきていないし、意外にブレている
少しご機嫌な顔、絞り調整で改善してきた
1メートルくらいでぴったり、大成功!
☆要するに、過渡期の証明写真用カメラと見た。現在のジャノメではこの手の製品は見当たらない。どういうところに売ったかだが、家具屋から出てきたのはブライダル用などで見本撮影的に使ったのだろうか。暗いが鏡として使え、長いレリーズを使えば自分でも写せるところから、今のプリクラ式装置が出てくるまでのもの、つまり10年以上前のものだろう。
今となっては本来の使い道にはちょっと?だが、パーティーグッズとか、自家用証明写真機としては十分面白い(まあ実用にもなる)