RICOH 300

Dukeさんからまた二台頂いてしまった。どちらも要レストアだったので、まとめて報告する。

先ずはリコー300、廉価版だが決して粗雑では無いカメラ。



シッャターが動くけれどすっきりしないので開いてみた。ご覧の通り開きっぱなしになることがある。
ロシアの鎌のように曲がった特徴あるレバーが目立つ。古いリコーのシャッターに見るスタイルで、キャディのものと似ている。このレバーの動きをスローガバナーで規制する方式だが、ガバナーが引っかかっている。清掃と注油で動き出した。



ガンギのように働いてディレイをつかさどる部品。外したら軽く動くのでこれが責任者だった。



元に戻したら調速できない。いつの間にか根元のリターンバネが消えていた。探しても見つからないので代用品を作って入れてみた。これで何とか動くようになった。



後になってバネが見つかった。これは拡大写真で、現物はピンセットでつまむのも困難なほど細くて小さい。これを元に戻す自信が無いので、代用品をそのまま使うことにした。



もちろんレンズも清掃した。



軍艦部は廉価版とは思えないしっかりした作りで、清掃して見やすくなった。



リコーらしいスタイルだ。



今となってはこういう形がクラカメらしくて好感が持てる。

《試写》

いつもの通りアクロスにて



ホームセンターの駐車場側入り口。これほどしっかりしているとは予想しなかった



近いところの質感描写も良い



車のガラス越しだがこれもしっかりしている

☆良い意味で期待を裏切られた。リコーに外れ無しである。使いやすくて良いカメラである。

YASHIKA Minister

このカメラ、何度かレストアしている。レストアレポートはとっくに入れているつもりだったが、報告していなかった。
今回は合前後して二台入ってきた。



前玉は完全に分解できるので、仮にカビがあってもあきらめないで済む。非常にきれいになった。





問題はこのシャッターの症状だ。開きかけて止まってしまうのはガバナーと羽根油だと考え、ベンジンバスに漬け込んで清掃したら直ったので次に進んだ(これが間違いの元だった)



後からリング一本で止まっているだけなので整備性は良い。



シャッター調速リングである。この長いピンでLVギアの部分を通して廻すので、LV部が重かったり、これ自体が動きが悪いと根元からガタガタになる。今回も完全にガタガタだった。理由は不調なLVリングを力まかせに廻したからだろう。

結論としてLVは外してしまうことにした。リング類とギアを取り去り、LVリングで直接シャッター速度を変更できるようにした。もちろん絞りも単独で動くので、ごく普通のカメラとして使えるようになった。この作業は簡単では無い。本来はやってはいけないオリジナルの改造なので、詳細は割愛する。



軍艦部の整備。このカメラは特に問題なかったが、同時に作業した在庫品(入手したのを忘れていたもの)はハーフミラーが完全に駄目だった。



ハーフミラーを交換して完了。プラスチックのハーフミラーだが、ちゃんと使える。



シャッターボタンの下の部分。細かいストロークの調整が出来るようになっている。この時代のカメラはこういうところにしっかり作りこみがあり、コストダウンされたものとは違って、より機械らしい。



専用のフードつき



《試写》

アクロスにて



無限遠はしっかりしている



こういう場面だとフレアーが出るが、これは最悪条件のもの。普通では逆光でもそこそこ使える



これも完全な逆光だが、暗部がでている

☆真面目に作られたカメラで、驚きは無いが失望も無い確実な写真が残せる。ヤシカのレンズの手堅さもあり、LVの使いにくさが無ければ今でも常用できるレベルだと思う。

☆実は、三枚目のカットを写して以降はシャッターが再びスタックして開いたままになってしまった。ベンジン漬けすると何とか動くが、一日経ったらまたスタックする。後ろから完全分解しようかと思ったが、元々持っていたものがちゃんと動くので、これは封印することにした。

《謝辞》

Dukeさん、いつも面白いものをありがとうございます。おかげさまで未経験のカメラの構造を楽しめます。


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