OLYMPUS L-10

オリンパスL−10は、L−1から続くオリンパス独特のL型レンズ固定一眼レフだ。
この手のレンズ固定カメラはタケノコズームのコンパクトカメラと、レンズ交換式”高級”一眼レフの間にあり、カメラマニアからはレンズ交換できないと言う理由で疎んじられ、コンパクトカメラの対象になる人たちからは、中途半端に高いので敬遠されている。
私がこのカメラを新品として買ったと聞けば、現在の私から想像がつかないと言う人も多いだろう。

このカメラを買ったのは、当時写真から遠ざかっていたからだ。陶芸に興味を持ち、写真は子供の記念写真と陶芸作品とシンビジュームを写すだけの道具になっていた。これらの目的のためにはとにかく簡単で、そこそこ接写が可能で、画角が変えられるのが好ましい。この目的には当時出たばかりのこのカメラがふさわしいと思った。
わざわざレンズを換えるのは億劫だし、ズボラを決め込んでもカメラが勝手にピントも露出も決めてくれると言うのは、車のオートマチック同様便利この上ない。それに、私のほかのカメラは家族には到底使えるようなものではないから、共同使用のカメラとして買うことに迷いはなかった。

長らく妻や娘が使っていたが、最近不調だと放り出されていた。電池を代えて、叩いたら直った・笑



スペックは、28−110oズームでF4.5-5.6である。35-80で十分だと思う私にはむしろオーバースペック、できればもう少し明るいと良いなと思う程度だ。アスフェリカルだと言うことを、今回この記事を書いていて知った。
もちろんオートフォーカス、感度設定も含めて完全なオート機で、マニュアルモードは無いが、オリンパスらしくスポット測光が可能なので、それで何とかなる。夜景・近距離アップ・中距離集合写真・高速スポーツの各モードがあるので、理解して使えば手巻きフイルム以外なら特に問題は無い。フリップアップのフラッシュだから、勝手に光ったりしない。



古いオートなので、合焦が遅くうるさいが、シャッターのタイムラグは少なく、実用上不満は無い。どう見てもデジタルカメラの中級機というスタイルだが、ホールディングが楽で、プラスチックだらけだからごく軽い。気分としてはコンパクトカメラだ。ファインダーには視度調整が内蔵されているので見やすい。パノラマ切り替えがついているのはこの頃の流れだが、一度も使ったことが無い。画面の上下を制限してパノラマと言うのはインチキとしか思えないのだ。

《試写》

試写と言っても既にたくさんの写真がある。しかし、作品的に写したことは一度も無いので、久しぶりに楽しんだ。薀蓄を語るのは任に当たわずだが・・・



これにモノクロを入れたのは初めてだ。フラッシュはしっかり調光されているがピントは少し甘い。フイルムはプレスト。



遠景もだいぶ甘い。コントラストはそこそこか。



第二東名がまもなく通過する場所。



夕暮れの茶畑。近距離はなかなか良い。



走る車から片手撮り。ズイコーの色だ。



ほぼ最至近距離。デイライトシンクロ



少し濁った色だが、ネガフイルムなのでなんとも言えない。描写はそこそこ出ている。



逆光無補正。ズームとしてはなかなかのもの。



こういう撮影では問題なし。



相当暗いがフラッシュ無し。色の再現性は良い。

驚くほどの切れ味など無縁だが、しっかり使えるカメラだと思う。


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