MAMIYA6改

壊れたマミヤ6+ヘリコイド+レンズシャッターアセンブリー=万能(?)レンジファインターカメラということになった。いささか無責任な言い方だが、他に適当な説明がない。

マミヤ6はボディー側にフォーカシングユニットが全て集中している。いわゆるバックフォーカシングである。論理的にはこれを使えば75oレンズは正しい位置に固定するだけで、普通の距離形式カメラとして使えるわけだ。
この間を何で繋ぐかだが、普通はおとなしく蛇腹を残し、レンズアセンブリーのみ交換する。しかし、このボディーが私のところへ来たときにはきれいさっぱり何もなく、フタも蛇腹もない一眼レフのボディーみたいなもので登場したのだ。こういう改造をした人は、もちろん皆さんが良く知る610さんだが、おそらく再生不能のジャンク又は、元々レンズがない状態で入手されたのだろう。



この状態から、ピンホールカメラなどに流用していたのだが、自作機用に以前手に入れた、ボーグのヘリコイドをつければよいと思いついた。(実際には半年前に企画してそのままになっていた)



これが用意したものである。本体とヘリコイドと、ピントグラス(レンズ交換に必須)だけだ。もちろんシャッターの生きているレンズが必要なのは言うまでもない。



この状態で固定する。ただし、今回はちょうど良いボードがなかったので、レンズは強力両面テープで固定した。いろいろアタッチメントを使えるから、完全に固定するのは容易い。M42やL39マウントならそのまま取り付けることも出来る。もちろんフランジバックが合わないから、これらの場合は接写専用になってしまうが。



一先ず組み立てたところ。



化粧直しして出来上がり。

《使い方》

シャッターを開放にし、距離計は無限遠に設定、ピントグラスとヘリコイドでフランジバックを修整し、その位置にマークする。後は撮影時にはその位置でヘリコイドを固定し、以降は本体距離計にて撮影する。
75o以外の場合、距離計で測距し、ヘリコイドには距離目盛を打てば、単独距離形式として使用可能。広角ならばまったく問題ないが使えるレンズはあまりないだろう。75ミリより長い場合、距離計精度から考えれば、ある程度離れた被写体の場合は実用範囲であろう。少なくとも目測よりは精度が高いことは言うまでもない。

と言うわけで、めでたく完成した。最初の犠牲者、いや、テスト撮影は本体が修復できていないセミパールが勤めた。これは本体ガタガタ、蛇腹も駄目なので、いの一番に候補としてあげていた。以前の試写でヘキサーとしては不本意な結果だっただけに、心中では大いに期待していたのだ。

《その後》

試写してみて、このレンズは使えると思った。そうなるとこの形式はヘリコイドが無駄になってくる。ヘリコイドは別途他のカメラを作る時に使うことにして、鏡胴を作った。



材質は「紙」、つまり紙の筒である。ちょうど二重になる筒が有ったので、これで組み立てた。紙は思いのほか強力で、何枚か接着すれば、木に近い強度が出る。加工はカッターで簡単なので、ピントグラスで合わせながらケラレるぎりぎりのバッフルにした。



接着と反射防止塗装をし、その上からボディー用の皮を張ると、もはや中が紙だとはまったくわからないすっきりしたものになった。



これにて完成、改めて写して微調整している。

《試写1》

最初は光漏れだらけで(穴をふさぎ忘れた)この2カットのみ使えるレベルだった。二枚目は大きくトリミングしている。約1/3の面積である。





逆光でもちゃんと描写している。レンズは清掃しなおしたので、やっとクリアーな描写になった。







これはファインダーでは太陽がまともに入っている。この程度なら実用可能だ(テストにつきフードは使っていない)



ピントは木に合わせた。バックボケは素直だ。

使ってみて操作的にはまさにレンジファインダー。使いにくいところはまったくない。ヘリコイドを動かないように固定すれば、まったく問題ないだろう。これからボディーの遮光が怪しい二眼レフ用のレンズなどの真の実力を知るのにはこれに付ければよいので楽しみだ。
全て右下に光線曳きが残っているが、これは原因がわかったのですでに対策した。

もちろん、何も壊れていないマミヤ6を壊すのは可哀想だし、問題外なのでたまたまこういうものがあったから手を入れたとご承知願いたい。

《試写2》

固定してからのもの、無限遠がずれたのでまだ微調整しているが、まあ使えるものになったと思う。







ピントはまだだが、諧調は良い。3枚目はわざと太陽を入れて様子を見たが、フレアーやゴーストには非常に強いとわかった。

このカメラは私の常用機の一つに昇格した。レンズテストカメラを作る楽しみがまた増えた・笑


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