CANON AE-1
キヤノン一眼レフを普及させる一つとなったAE−1、シャッター優先オートカメラとして名高い。
息子の友人、K君が一年ほど前に持ってきた。夭逝された父君の遺品だと言う。動かないので見て欲しいと言われ、点検してみると電池切れと電池蓋の破損、巻き戻し状態のままで写せないと言う簡単なものだった。





蓋の一部が欠けていたので、エポキシ接着剤で補修し、新品電池を入れると簡単に復活した。
これで大丈夫だからと返そうとすると、彼の家ではこのカメラを使える人は無く、またたとえ動いても使う気は無いので使って欲しいとのこと。使わないものは遺品といえど処分せざるを得ないのでぜひにと言われ、受け取った。
そのまま一年近く棚においていたのだが、機械は使ってやらないと可哀想だと思い、写してみることにした。昨年末より35o一眼レフが次々に舞い込み、ちょっとした一眼レフブームである。 これも何かの縁なのだろう。



標準はFD50oF1.4で、それにテフノンの70−210oF3.5がついていた。また、コムラーの28oF3.5は先日大瀧さんからいただいたプリセットのもの。キヤノンFL28oは試写に出てくる怪しい骨董屋に転がっていた物だ。



ズームはかびていたので分解清掃した。28ミリもコバが抜けてきているので塗装しなおしをした。



これに整備完了、モノクロで一本写してみた。

《試写》



テフノンにて。210oに設定したが、ズームとしては抜けが良く、癖のない描写だ。ここには掲載しないが、以前ガタガタカビ付のまま写したものでもなかなか良かった。これは使える。









FD50mmF1.4の描写。当時最高の一本だけに、実に立派な描写だ。







FL28F3.5のもの。ただし、これは買ったその場でカメラに取り付けたので、盛大に汚れているのをそのまま写してみた。見事なフレアーだが持ち帰って清掃したところ、本来のすっきりしたものになった。この状態でも素性の良さは感じられる。

キヤノンの一眼レフは随分久しぶりだ。手馴れたまとめ方で使いやすく、使っていての違和感はまったく無い。フルマニュアルでも使えるので、シャッターとファインダーの整備だけで今後も使えるのは頼もしいと思う。露出は全てオート、または露出計の指針に従ったが、空のように全体で明るいものについてはアンダー傾向があり、多少の補正は必要だ。 しかし、この時代のものとしては不満の無いレベルである。さすが平均点の高いキヤノンだと思う。


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