OLYMPUS6
私のリンクにあるMonochrome Anthology オオエさんのお父上のカメラ、オリンパス6である。レストアを引き受けたのでそのてん末を報告する。どのような由来かは、彼のサイトの中のギャラリーの中にある「父のオリンパス6」に詳細に書かれているのでごらんいただきたい。
外観で大きな問題は無い。
シャッターは多少秒時が狂っていたが、スローガバナーへの給油と羽根の清掃で復活した。セルフタイマーは固まっていたが、これも給油で解決。
絞りには問題なし。
大問題は後玉のカビだ。見事に真っ白で、これではぼやけるのは当然である。幸いなことに硝材の白濁は無かったので、カビを落とした。しかしミミズの這った跡のような筋が残った。これでは乱反射してフレアーだらけになるので、慎重に研磨してほとんど復活というところになった。
内部のコンディションは良い。
蛇腹にも傷や穴は無く、ミンクオイルで給脂して柔らかさが戻った。
目測式なのでシンプルな軍艦部。66と645の切り替えマスクが見える。
軍艦部の前面にわずかな当たりがあったので、ベンチに固定して慎重に叩き直した。
巻き上げのラチェット。ごく細いバネで戻りのトルクが弱い。この部分にも給油。
低部の清掃、皮の補修と錆落し、塗装のタッチアップなどで本体は完成。比較的きれいなケースはストラップのみ完全に寿命なので外し、切れたフタの継ぎ目は皮で補修して給脂してワックスをかけて完成した。
この時代の蛇腹機としては非常に程度が良く、40年間使われていなかったとは思えない感じに仕上がった。
《試写》
一本だけ近くで写してみた。その結果、まだ少しフレアーが残っていたので、後玉を再研磨して完成となった。完全な状態の撮影はオーナーにお任せした。おそらく私の試写よりもっと良くなっているだろう。使用したのはネオパンプレスト。
フレアーは残っているが、ズイコーらしい描写だと思う。これからも現役として使えるのは間違いない。