以前ユキノフさんからいただいたままになっていたキヤノネットSをレストアした。
露出計は生きていた。二重像が薄いので、ハーフミラーの蒸着をはがして、ハーフミラーを入れ直した。
細かい作りはほとんどキヤノネットと同一だ。もちろん、巻き上げ関係はずいぶん異なる。
電池ボックスは大型の筒で、お岡田水銀電池用だがもちろん現在はその規格はない。配線が錆落ちていたので、ついでに電池ボックスを改造した。といってもスプリングを入れて、普通の電池でも使えるようにしようとした。
問題はハンダ付けである。矢印のところにかすかに見えるのが本体からの電線で、狭い上に錆びて半田が乗らない。これ以上縮めるのは無理なので、ステンレス用のフラックスで何とかつないだ。
その他シャッターや絞りの清掃なども行って、何とか使えるようになった。右肩のところのへこみも叩いて直した。
《試写》
コニカセンチュリア100にて試写した。
初代キヤノネット同様、控えめな発色だが上品なものだ。いつもの被写体なのでだいぶ色がずれているが、十分許容範囲である。露出計は少しアンダーに感じた。
手堅い作りで完調なら使いやすいカメラである。QLはまだついていないオーソドックスなカメラで、初代のトリガー巻上げなどから変更されている。次に続くシリーズとの橋渡しのモデルなのだろう。