ARGUS C3
アーガスのC3、アメリカでの通称は「ブリック」=レンガ。
仲間のSCRさんからお借りした。以前から一台転がっていたのだが、とんでもないジャンクで欠品だらけのシャッターリンク破損で使い物にならず、一度は写してみたいとお願いしたのだ。もちろんこれは好調のきれいなもの。
コーテッドシンター、なかなかきれいなレンズだ
まさにブリック、角ばって厚みのある、まるで昔の軍艦のようだ
上部にはシャッターボタン、カウンター、巻き止め解除ノブと巻上げノブがある
下部は巻き戻しノブと三脚穴
《試写》
ネガカラーはフジの業務用100、モノクロはアクロス
☆色はアメリカものらしくこってりしている。モノクロでは表現の巾が深い。しかし、残念ながらレンズはおよその期待を裏切るものだった。距離計と目測のどちらでも外れるし、どこがピントの山かわから無い。周辺は流れまくりで、これが本当にこのレンズの真価か疑わしい。
使い心地は、正直なところ二度と使う気にならないものだった。巨大なケース無しだとシャッターセットノブが強烈に邪魔でホールドできない。シャッターボタンは非常に硬く、手ぶれ連発だった。アメリカ人はこんな使いにくいカメラを使っていたのかとあきれてしまった。同時代のコダック35やシロ35など同等の機能のカメラと比べても、著しく劣ると言わざるを得ない。
珍しいカメラを使う機会を与えていただいたSCRさんには感謝!
MINOLTA MemoryMaker
メモリーメーカーとはたいそうな名前だが、実体は単速で絞りも固定の、フイルムチェンジのみできるプラカメである。
daddyさんのスナップ用だが、落としたら薄目を開けたまま昇天したということで、修理を買って出た。
見たとおり、シャッターが開きかかったままに見える。裏から見れば光が通りっぱなしだとわかる。
早速開いてみる。フラッシュのコンデンサーはディスチャージした
良く見ると、これは絞りだ。シャッターは左横にちょっと見えているベロである
シャッターブロックを外す。比較的簡単に組まれている
電子シャッターではなく、機械式の一枚羽根シャッターで、コードはフラッシュのシンクロ用だった。プラカメなので複数あったのだ。これを開くと組むのが面倒なので、コツコツとショックを与えたら戻った。この状態でエバセットのシャッターは動くようになった
固定焦点なのにレンズが固定されていない。この理由はフラッシュスイッチに連動して15度ほど回転し、突起に乗り上げて少しピントが変わるシステムがあるからだ。同時に絞りも開放になる
これを利用すると、電池を抜けば近距離(おそらく2−3メートル)にピンが来るのだろう。少し暗いところなら、電池を抜けば近距離専門に使えるとわかった。絞りを動かないようにすれば、ゾーンフォーカスにも使えそうだ
《試写》
フジの業務用100にて
近距離で少し暗いところを上記の手で写してみた
☆ネガカラーのオーバーに強い性格を利用する簡易プラカメだが、さすがはミノルタ、いろいろと工夫されていて面白い。結果はなかなかのもので、サービスサイズなら問題なく使える。歪みが大きいのはご愛嬌、本気で風景を写すようなものではないから立派な結果と言えよう。フイルムが残るからデジタルより記録用としては安心だ。確かにメモリーメーカーである。