TARON III F1.9

タロンは色々機種があるようだ。しかし、数は少ないのであまり見かけない。
私はタロン35しか経験が無いが、落ち着いた色に記憶がある。これはちょっと故障で安かったので手に入れた。



シャッター周りが浮き上がり、シャッターが切れたり切れなかったりすると言うものだ。レンズにも汚れが見られるので分解してみた



プロンタータイプで単独での動作は問題ない



前板から分離するとこんな感じにつながっている



ヘリコイドからブロックで外すと原因判明。シャッターブロックを固定するネジが1本は完全に外れ、残りの二本も緩くなっていた



レンズを清掃し、距離計があると引っかかって上手く入らないので、距離計を外して前板を組み込む



距離計は実にシンプルだが、動作は軽く問題なし。清掃して組む



巻上げ部もシンプルだ



底部はもっと簡素、構成要素が少ないから故障率は低いだろう





仕上げがきれいで質感が良い。操作はスムーズで好感度が高いカメラだ
巻き戻しノブは下に収納されていて、レバーを引くと上がってくる。実に凝った仕掛けで操作するのが楽しい。

《試写》

トライxにて写してみた



夕陽の風景。逆光でも出るべきトーンがきちんと出る



バックミラーの中の画像に合わせてみた



新幹線のガード下。夕暮れでしかも日陰だから、絞りはF2.0に開けた



一枚だけサイズと圧縮の制限が少ないものを入れてみた。悪条件だが遠景まで出ている(クリックで拡大)
もちろんアンシャープマスクなどは一切使用していない。

☆すっきり落ち着いたスタイルで、仕上げが良いカメラだ。タロナーというほとんど無名のレンズだが、同時代の大メーカーのカメラと何の遜色も無い。カタログスペックでは特に秀でたものは無いが、実際に使ってみると確実な作りで操作性が良い。難しい条件でもきちんと再現するのは頼もしいと感じた。


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