MEOPTA Milona

ミローナはチェコスロバキアの名門、メオプタ社のスプリングカメラで、66と645(マスクで)の120カメラということになっている。

今回入手したものは、メオプタのホームページのものに酷似しているが、細かい点で異なる。何よりレンズがF4.5と言う点だ。メオプタによれば、ミラールの3.5のはず。また、シッャターはプロンターの1/300までのものと言うことだが、これは旧コンパーラピッドで、1/500秒まである。ミローナUには前板の位置を変更する限定的アオリがあるはずだが、このカメラには無い。目測だから相当の修練をしないと使えないということなので、無くても気にはならないが、ちょっと残念だ。

1945年から10年ほど作られたので、手持ちの都合でいろいろなバリエーションがあるのだろうと思う。

ボヘミアカメラの権威、カメラッコさんから情報を頂いた。ティルトが無いのはT型とのことだ。また、4.5のミラールがついたものは普通に存在する。シャッターがコンパーなのは輸出用だろうとのこと。
おかげですっきりした。



レンズの清掃をする。非常にシンプルな前玉回転で、分解は簡単だ



レンズはミラールのF4.5で、シャッターは新コンパーである。メオプタのサイトではこういう仕様は見当たらなかった



ちょっと苦労したのは距離リングだ。芋ネジがきついので給油して慎重に外した。これが痛んだら非常に面倒なことになるから、手は抜けない



ファインダーは経年変化で少し開いている。ストッパー部に黒い紙を挟んで止め位置を調整



蝶番部分がひどく痛んでいる。調整して皮は艶消しブラックで再塗装した



ウラブタが極端にかたくなっていた。蝶番の変形が原因だが、完全にはならないので、当たる部分を少し削って軽く開くようにする



ほぼ完成。この写真ではアクセサリーシューがなくなっている。手持ちの似たサイズのものを後からつけた



標準的な目測スプリングカメラだが、前板の固定はレールとタスキの併用で、非常にしっかりしている。整備してみると各部の出来が良い。メオプタのカメラは作りが良いと再認識

《試写》

いつもの通り、アクロスにて



港にて(クリックで拡大)





☆ボヘミアングラスの良さを感じる。前玉回転でも周辺まできちんとしていて、二眼レフのものと遜色は無い。暗いレンズだけに当然かもしれないが、素性の良さは一級品だ。
畳んで軽く持ち運び良く、蛇腹周りがしっかりしているので信頼感がある。良いスプリングカメラだ。


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