FUJI picPAL2
フジのピックパル2はあまり数が無い。元は安いプラカメだけに、普通ならあちこちのジャンクボックスで見かけるはずなのだが、これが見かけない。
たまたま、5個まとめていくらというジャンクセットに入っていて、やっと手に入れられた。
なぜこんなプラカメを探していたかと言えば、これにはごく少数だが強烈なファンがいて、なかなか優れた写真と共に見せ付けられていたからである。
おドイツカメラなどなら良く写って当然なので気にならないが、このチープなカメラと作品のギャップに興味を引かれた。
単純な構造で大きく壊れたところは無いが、フラッシュ周りが割れていて、動きが悪いので開けて見た。
構造的にはDL10とそっくりである。シャッターは単速で100・200・400の感度切り替えがある
絞りで感度を切り替える。フラッシュを押し上げると絞り板が外れて開放になる仕組みだが、簡単なヘリコイドにより距離調節が可能だ。初代との最大の違い、メリットはここである
簡易だが確かにゾーンフォーカスできる構造だ。フラッシュは横が少し欠けていたので補修した。
その他、巻き戻しノブが納めた位置から引き出しにくかった。プラ軸が磨り減って段付が激しかったので、少し削って動きやすくした。いずれもレストアというほどの作業でもなく、特に記録はとっていない。
意外に良い顔をしている。きれいにまとまったカメラだ。全体に程度が良いカメラだが、良く使い込まれていて、ずいぶん多くの家族の肖像を残したのではないかと思われるものだ
《試写》
単速シャッターを絞りでコントロールするので、トライxを少し現像を控える方法で使って見た
明るい店内で100設定で写した。距離合わせできるのはやはり良い
開放(f4.5)にしてみた。34oだからか、深度が深い
これは400で無限遠を見た
ネガカラーはずいぶん前に期限切れのフジ・スペリア400(自家現像・大幅色補正あり)
フラッシュは光が廻りにくい。おまけ機能だろう
200設定。走行中なので周辺は流れた
☆これで写しているといかにも簡単カメラと見えるらしく、まったく警戒されない。大げさな道具より簡単なだけ機動性がある。
画質はこんなに写って良いのかという切れ味である。かつて、ナンマイダー氏がこのカメラ専用のページを作ったのは、決して物好きではない。そうするだけの価値のあるカメラである。
カメラの価値は価格では測れない・・・そう思う。見つけたらぜひ手に入れたいカメラだ。