FUJICA35 Automagic



フジの簡易型EEカメラ、オートマジック。この時代には露出のみオートでもこういう大仰な名前がつけられる、いわば古きよき時代だ。
1/200秒と1/40秒のどちらかだが、フラッシュ使用または感度40以下だと1/40秒に設定されるようだ。つまりほぼ単速で絞りでカバーだが、開放でも3.4だから低感度フイルムだときつい。しかし感度設定は200までだから、写せる明るさは狭い。

一応動くがレンズが汚れているのと、中のシステムを知りたくて開いてみた。




フラッシュのシンクロコードを外せば、レンズバレルは一体で外れてくる。手前の二本のレバーがシャッターセットとレリーズで、簡易シャッターではない。どうせなら数速あれば使い勝手が一段と向上したのにと思う。レンズは固定式だ。



セレンに光が当たると露出計が動き、絞りのスリット巾が変化するシステム。フジペットEEのものと同じつくりだ。ふらふら動くから針の揺れが収まってからレリーズする必要がある。バランスはとってあるので姿勢差はほとんど無い。





上はすっきりシンプル。フジカらしい。



巻上げは背面のノブ、その他は底面についている



ファインダー中央にバーが見える。ここに指針が見えていて、赤くなければ撮影可能を示す

《試写》

ラッキーのSHD100にて写してみた。現像時に手の汗で引っ掛かりが出来、四苦八苦しているうちにネガに傷が付いてしまった。相当のデジタルスポットがされているのでご承知願いたい。







SHD100を感度200に設定すると、暗いところではアンダー気味になる。意外にこの露出計は正確だ。また、明るいところの連続撮影では、まったく同じ条件でもオーバーのコマが現れた。小絞りでは、絞りのわずかな動きも大きな変化になる。この点については撮影時に針の動きに注意が必要だ。
レンズは暗いところでもそこそこ働き、フジカらしいトーンは健在だった。原始的な機構だが面白いカメラである。


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