LOMO VOSKHOD

ヴァスホートと言うのが比較的近い発音とか。ソ連時代のロモから出た35o目測式カメラ。名前のいわれは有人宇宙時代への先駆けとなったソ連の宇宙船から来ている。ロシア語で日の出を意味するらしい。



これはSCRさんから依頼された。ピントが出ないということだ。



前玉回転式だが、一般的にはストロークの最後から少し戻った辺りに無限遠が出る。ピントグラスで見るとオーバーインフの状態だった。怪しい視力であわせることになるが、ヘリコイドが重いので、先ずは分解してグリスを交換した。



三本の芋ネジのうち一本が失われていた。手持ちのものを入れてみたが、ねじ山が痛んでいてロックに至らず、残りの二本で何とか固定した。次に整備する時にはゴム系接着剤でチョン止めしなければ止まらないだろう。
シャッターやレンズには全く問題がなかった。鏡筒周りのレバーでチャージと巻上げをするが、作動は軽くスムーズだ。コニカVと似ているが、ワンストロークで使いやすい。



だいたい無限は出たようだ。(画面は逆さにしてある)



私のところに来た時には巻き戻しボタンが存在しなかった。こんなところが消えるというのは誰かが分解してなくしたのだろうか。



一応こういう方法でも押せることを確認、底板を外してみた



ストラップ用の部分のネジが傷んでいて、底板をはずのに苦労した。底板を外したら中に巻き戻しボタンが落ちていた。何らかの理由で中に落ち込んだようだ。元に戻して巻き戻しできるようになった。ストラップ金具はネジと接着とで何とか使えるようになった。



露出計が動かないので開いてみたが、針が動かない。軸受けを少し緩めたら針を動かすことができるようになったが、光には反応しない。露出計を直すのは面倒だし、マニュアルで使えるから問題無しとしてパスした。









《試写》

いつもの通り、アクロスにて試してみた。



至近距離でピントチェック



その中心部。まあほぼ合っているか



絞り込めばピントが深いので心配なさそうだ



☆縦位置専用カメラとして有名で、確かに縦位置の方が使いやすい。レンズは評判どおりあいまいさの無いすっきりした描写で、メリハリの利いたすっきりした絵作りをする。前玉回転式だが周辺までしっかり写る。作りがしっかりしていてレバー巻上げの使い勝手が良い。総合的にレベルの高いカメラだ。
横位置が好きな私としては、あえて欲しいものではないが、評判倒れでは無いカメラと見た。


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