K.W. PILOT6



カメラベルクのピーロート6、後期のピロートスーパーと異なり、レンズ交換の出来ない645カメラで、Sコレクターから預かった。



シャッター固定できず、ファインダー見えず、レンズガタガタと言う代物だ。先ずはレンズを外してみる。三枚玉で前玉回転式だ。回転規制と抜け止めのためのピンなどが無い。いろいろいじられているようだ。



絞りは硬いのを無理したらしく、連動ピンが外れていた。嵌め殺しなので清掃してボロン粉末を入れたら何とか動くようになった。



3本のネジで本体に固定し、大きなプレートは絞りと連動しているのだが、このネジが全て現代のプラスのタッピングネジに替えられていた。おそらく分解した時にねじ山を痛めたからだろうが、外すとネジとして使えなくなってしまった。ダイカストがボロボロになっていたのだ。

止む無くベース全体とネジを、ボンドG17をつけて貼り付けた。しかし、こうなるとどうしても少し浮き上がり、前板に干渉する。干渉する部分をルーターで削って、何とか組んだ。



ピントフードを外すとミラーシャッターが出てくる。ミラーは完全に銀が消えていたので交換した。数枚テスト撮影したところで異音がして動かなくなった。ご覧の通りミラーが割れてしまった。もう一度ギリギリの大きさのミラーを切り出し、入れなおして何とかなった。



割れたミラーとピントグラス。



新品ミラーだとちゃんとピント合わせできる
ミラーシャッターは動きが悪いのできちんとロックしにくいとわかった。ボロン粉末などで動きを良くしたら、ミラーセットできるようになった。秒時は比較的正確だったので、給油のみに止めた(側面の分解写真は写すのを忘れたが、ピロートスーパーに似たもの)







枚数は赤窓に69用数字を交互に出させて行う。慣れないと間違いやすい。



後のピーロートスーパー、コピーの長城とほぼ同じ外観だ。レンズ交換は固定式だから出来ないが、マウントを作れば可能だろう。手動絞りが使えれば、現代645のレンズも使えそうだが、そんなことをする意味は無い(笑)
横には引き出し式のフレームファインダーがある。目測でこのファインダーなら速写も可能(1カット限定)

《試写》

アクロスにて







☆外観や全体のコンディションから多くを期待しなかったのだが、意外にしっかりしている。二枚目はほぼ最短距離(ストッパーが無いので正確ではない)のバス時刻表だが、意外にも読める。前玉回転の三枚玉なので、バックのグルグルボケは多少あるが、非常に小さく軽いから、実用可能だと思った。


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