以下に示す二台はいずれもプー博士のコレクションで、仲間のK-1さんがワイドを使ってみたいと書いたのを見て貸し出されたものだ。仲介と言うことで、私のところに数日滞在している間に味見をさせていただいた・笑
WIDE LUX F7
いわゆる首振りパノラマである。こういうカメラはいろいろあるが、これはパノンのF7で、LUX26mmf2.8を搭載し、35oフイルムで、24×58o(実測)の画面が得られる。
典型的なパノラマカメラのスタイルだ。
ウラブタは横に長く、一度に外れる。フイルムはこのように二つのゲートをくぐらせて装填する。
最初、間違えてこのように入れてしまった。こうなるとどんな風に写るかは下に示す。
上には水準器など普通のカメラとはちょっと違う形をしている。
《試写》
ネガカラーはアグファヴィスタ100、モノクロはアクロスにて(クリックで原寸表示)
一枚目は装填ミスのもの見事にボケた。
☆モノクロ2枚目は走行中のバイクからのショット。1/250秒とは言え普通ならぶれるのだが、ほとんど感じない。パノラマカメラの特製と言えるだろう(K-1さんの写真でも同じ現象あり)
35oフイルムで固定焦点なので、遠景はさすがに弱いが、絞り込めば使えるレベルで、作動は非常に安定している。さすがこの手のカメラを作り続けたパノンだと思う。
仮称WIDE 611
マミヤプレスのホルダーに広角レンズを組み合わせた手作りカメラだ。大阪の手作りカメラの会、会長の作品と伺っている。
レンズが豪勢にスーパーアンギュロンの47oである。言うまでもなく4×5などの大判カメラ用で、プロが使うことで有名な超一級品だ。このレンズは多くの傑作を生んでいる。
ファインダーはフォクトレンダーのもの、水準器も二個装備している。
仕上げは丁寧だが、三脚座は接触面積が少ない。ここは埋め込みたいところか。
アパーチャーをギリギリまで切り開いている。実測11cm強だ。フイルム面の安定は良い。
ヘリコイドつきで目測だが、この焦点距離なら何ら問題は無い。見かけよりずっと軽く、35oを使う気分で運べる。
《試写》
リバーサルはRVP、モノクロはアクロス、スキャンは二回に分けて合成した。
ワイドラックスと同じ時だが、一枚目はレンズの暗さで画像が暗く、無理に引き上げたのでノイズがある。レンズに責任は無い。
モノクロで絞り込んだら無敵だ。さすがスーパーアンギュロンと言うきりっとした描写で驚いた。4×5を楽にカバーするレンズだから、周辺まで全く不安の無いコントラストの高いものだ。
☆さすがスーパーセット、急いでいたので数を写さなかったが、使い込めばいくらでも結果が良くなると感じた。35oとは別の世界である。パノラマではもったいない、4×5で使いたいという気持ちがちょっと過ぎった・・・
《謝辞》
プー博士、今回も大変貴重なカメラをテストできました。パノラマは私の守備範囲ではありませんが、
これだけ写るとちょっと欲しくなりました。良い経験をさせていただいたと言うことで、満足しています。ありがとうございました。