銀塩カメラの中古価格が急速に落ちている。工事現場の記録がデジタル写真で良いという愚政(加工が自由で偽装など簡単にできるから)のおかげで、工事用カメラは捨値になってしまった。先般手に入れたこれらは10台まとめて500円ほど、送料や手数料の方が高いが、それでも一台約200円。手に入れるのは負担が少なくてありがたいが、立派な工業製品がこれでは悲しい。




コニカミノルタ最後の銀塩現場監督だ。28−56oの2倍ズームを搭載している。F値は本体には記載されていないが、仕様説明書では3.5-6.7で、望遠側はずいぶん暗くなる。その他の特徴はWBシリーズとほぼ同じだが、私の手に入れたものには日付機能がついていない。前面は保護ガラスで固定され、内部でズーミングしている。



同時に手に入れた35WBと一緒に、水と洗剤でゴシゴシ洗うとすっかりきれいになった。ほとんど傷は無いから、現場にいた時間は短いだろう。
モード切替で、フラッシュオフや遠景固定、2.0EVの露出補正ができる。フラッシュオフの場合、3秒までシャッターが開くので、明るさの適応範囲は広い。



《試写》

モノクロはラッキーのSHD100、リバーサルは期限大幅切れのRVP100なので、色は参考程度















☆ズーム比が2倍で暗いレンズなので、描写に破綻は見られない。28oで室内でもフラッシュを規制して写せばそこそこ写ってしまう。現場用なのでフラッシュは強力だが、近距離でも良く光が回り、不自然さは少なかった。
400のネガカラーを入れれば、ほとんどの撮影に対応できる。

水中撮影は想定外ということになっているが、シールがしっかりしていれば、水の中にちょっと入れて写す程度は可能であり、過去の実験では水漏れはしなかった。

こういう優秀なカメラがどんどん消えてゆく現状は寂しい。そんなにコンパクトデジカメの書割のような絵が好きなんだろうか。ハイクラスのデジタルカメラは高性能だと認める。RAWで写して加工すれば、もはや35mmカメラが追いつくレベルでは無い。しかし、後からいくらでも加工でき、加工しなければ使い物にならないから、デシタルデータであって写真ではないと思う。写ったかどうかのスリルが無いし、パソコンで「RAW現像」なんてレトリックに過ぎない。実に面白くない道具だ。だから私はあくまでフイルムカメラで写す・・・


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