GRAFLEX 23 Century Graphic

45スピードグラフィック・通称スピグラで有名なグラフレックスのボディーシャッターが無いタイプの一つで、23サイズのセンチュリーグラフィックである。細かい型式はわからないが、プラスチックボディーでレンズボードがアルミ製でカラートレンジファインダーを使っているから、1950-60年代のものだろう。



これはSコレクションに部品取りとしてバラバラになっていた。数箇所不具合があるので、分解して部品にしてあるということで、もったいないからそっくり頂いて組み立てた。

蛇腹からレンズボードなどが完全に分解されていたが、ほぼ欠品は無いから23クラウングラフィックやB&Jプレスと似た構造なので、再組立できた。ただし、蛇腹の本体側の固定はネジが緩くなって上手く行かないので、セメダインXで接着とした。

バラバラに割れていたファインダーのパララックス調整部は、清掃してほぼ無限遠で固定とした。この部分を動かしてもファインダーの構造がラフだから役には立たないから、固定でも撮影に影響は無い。
カラートレンジファインダーはハーフミラーが薄くなって見えないので、プラスチックのハーフミラーを重ねた。一応二重像が見えるので、実用にはなる。それよりも外されていた連動アームの再組立が難しかった。ほんのわずかの位置で大幅に狂ってしまうから、大変だ。

その他いろいろ細部の調整はあったが、技術的に難しいことはなく、組立が完了した。目新しいことも無いので途中経過は撮影していない。





レンズはさしあたり転がっていたテッサー10.5p4.5(プレートカメラ、コレレ・エノルデ用)を入れてみた。仮なので手近にあったお菓子の木箱の板で作った仮ボード装着。遮光が怪しいところはパーマセルテープで止める。

レールの長さとレンジファインダーの連動から言うと、80−150oくらいは交換してセットできるが、レンジファインダーはカバーを外して600メートルくらい向こうの被写体で無限遠を出せとか、調整だけで大変な手間だから、撮影時のレンズ交換はほぼ不可能だ。

この手のカメラのレンズ交換は、カムを変えて無限遠ストッパーを切り替えるリンホフやホースマンの方が優れているが、それとて現場では時間が掛かってとてもやっていられない。従って、あらかじめ使うレンズを決めて使うのが基本だろう。(ピングラで使うなら簡単にレンズ交換して使える)





23クラウン用に持っている専用ピントグラス。ライズするなどの三脚撮影の時は交換がワンタッチで便利だ。



実用にはマミヤRBの67ホルダーを装着した。少し調整する必要はあるが十分流用できる。もちろんスピグラの69ホルダーがベストフイットだ。

《追記》

テスト撮影してハーフミラーの反射が多すぎ、ストレートの光が足りなくて見えにくいので、覚悟を決めてハーフミラーを交換した。覚悟を決めたというのは、ハーフミラーは特にデリケートな調整が必要で、安定して作動させるのが難しいからだ。



先ずはハーフミラーの固定部を外す。二本のネジで止まっているだけ



手前がほぼ透明になって島知った古いミラー。交換を前提にしているのか、細いスペーサーが入っていた。ちょうど厚みの合うものは手持ちになかったので、フイルムを小さく切って二つ折りにして挟み込み、根元を接着剤で固定した。



形は完成したが、ここから上下・左右を必要位置にするのにずいぶん手間が掛かった。左右の調整は固定部の真ん中のネジで行うが、大きなズレには対応しない。基本の取り付けを何度もやり直して何とかなった。上下のズレは下のプリズムの横で行うが、これは簡単だった。まあそんなこんなで手持ちできちんと使えるようになった。

《試写》

試写はアクロスとRDPV(期限切れ)にて、ピントグラスは使わずレンジファインダーにて行った



先般、ミノルタA2シリーズで使った被写体。被写界深度が浅いのは105oだから。距離計は大丈夫のようだ











☆レンズ交換式なのでこれは光漏れの有無と距離計やファインダーの確認のみ評価対象としたい。今回使ったオールドテッサーはなかなか良い味で、69用を67で使ったのだから破綻は無い。

このボディーを利用して、まだテストしていない単体レンズを試写する予定


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