PAX35 M2
大和光機工業のPAXはバルナックライカのミニコピーといったカメラで、レンズ交換は出来ないしレンズシャッターだが、外観の可愛さで多くが輸出されたようだ。
このカメラはプー博士からメインページが15万ヒットしたのを祝って贈って頂いた。私のページはあちこちに分岐している。
ただ今、全てをこちらのサーバーにまとめるべく直しているが、今までのYAHOOは検索で良くヒットするのでそのまま入り口として残している。重複もあるがそれぞれを合計すると50万ヒットは軽く超えたので、今更ながらインターネットの威力を感じる。
大きな損傷は無いが、距離計が暗く清掃が必要なのと、シャッターが単速になっているようだ。
距離計は小型ながら立派なもので、目測も可能な45oには贅沢な仕様だ。
シャッター部を開く
一本テスト撮影していて途中からシャッターセットが出来なくなった。このシャッターは巻上げに応じて赤い部分が回転し、黄色のセットリングを押す構造だが、回転部から伸びたセットリングを押す部品に内向きにテンションを掛けているスプリングが、変形して本来の位置から外れていた
このスプリングが曲がっていたので、コンパータイプのセットリングが押せなくなっていた。細かいので真っ直ぐに戻すのは面倒だったが、まあ何とか直せた。ついでにシャッターとヘリコイドに給油。シャッターのスローガバナーの効きが悪く、1/100と1/300はまあまあだが、それ以下はあまりディレイしない。暗いところの撮影にはバルブを利用すれば良いから、上だけ使うことで妥協した(私は1/50以下はあまり使わない。どのカメラでもほぼ信用できる1/100前後で写す事がほとんどだから、ガバナーの完全修復は放棄した)
これで良しとテスト撮影に臨んだ。写し終わって巻き戻そうとすると、非常に巻き戻しが硬く、これで良いかとフタを開けたらまだ10カットくらい巻き戻っていなかった。
巻き戻し軸は二重になっていてスライドし、内側にある掘り込みに外からピンが嵌まって回転と抜け止めをしているのだが、このピンが磨耗して回ってしまったのだ。これではいくら巻いてもフイルムに力が伝わらない。
外軸に改めてピンを入れようと穴を開けなおしたが、材が薄く止めピンの頭をフラットにしないと押し込めなくなるので断念し、内外を接着剤で固定した。巻き戻しは大変だがこれで機能する
後日やっぱり使いにくいのでほぼサイズが合うネジのボルト部を接着剤で埋め込み、削りだして機能が回復した。
ついでに下部のシャッターセットリンクに給油
内面反射でコントラストが落ちるとわかったので、三面に起毛紙を貼った
小柄なザーリァと比較してみた
大きさが似た小型で比較、高さが無いので小さく見える
《試写》
何度かに分けたテストから。フイルムはいずれもARISTA Premium 100にて
ここまでが最初のフイルムから
最初の方は盛大に光漏れがあった。また、内面反射対策も施していない。現在も光漏れは多少あるが、まあ使えるレベルに近づいてきたと思う。
☆大きさの割りに案外重く、撮影時に手ブレの心配は少ない。レンズは多少甘いものだが、気楽なスナップには良いカメラだ。いずれにせよ可愛い外観と小さなシャッター音は被写体を刺激しないので意外に使いやすい。面白いカメラだ。
プー博士、今回も楽しませていただきました。ありがとうございます。
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