CANON DEMI S



このカメラは妻の実家の片づけで出て来た。義父が使っていたらしい。義父は新聞の地方駐在記者だった。取材と撮影を同時に行うタイプだったから、亡くなった後に私のところへいろいろな機材がやってきた。これはそれらの中でも古い方のもので、取材と言うより家庭用に使っていたらしい。使わなくなって久しかったのか、全体にカビが出ていて、シャッターがかろうじて動く程度だった。



ファインダーが暗いので皮を剥がして最中構造を開ける事にした。さすがに硬くなっていて、なかなか剥がすのが大変だ。



レズバレルの分解



ここまで来ていろいろリンクがあるのに気がついた。シャッターが意外にもちゃんと動いているので、汚れたレンズとシャッター羽根の清掃だけで済むと見たから、この時点で清掃して前を外すのは止めた。露出計は全く動かないがマニュアルカメラだから問題は無い。(露出計は使いにくいから動いても使わないだろ)



定番の大量モルトの張替え。さしあたり試写出来れば良いので普通のモルトを使った。



各部の清掃が終わったが、アルコールで拭いても皮が白っぽくなってしまった。水性艶消しウレタン塗料を塗り、乾かないうちにウエットテイッシュで軽く拭き取った。こうすると谷になった部分が黒く締まるのできれいだ。剥がす時に少し欠けたところにも塗料が入るので、小さい部分なら補修も必要なくなる。(水性塗料で無いとこの方法は使えない)









《試写》

モノクロはアリスタ・プレミアム100、カラーは後日絵日記にて公開予定







☆堅実なつくりと古さを感じないデザインは、さすがパッケージングが上手いキヤノンの製品だ。ちょっとフレアーがあるのは傷だらけの前玉とピーカンによる。それでもきちんと遠景まで出ているから立派なハーフだと思う。フイルムが進化した現代では、焼くならハーフで十分の画質がある。このデミSもそういうハーフの一台だと思う。


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