VEST POCKET KODAK MODEL B
ベストに入るほど薄く小さく軽いカメラ、元祖スナップカメラとも言えるベストポケットだ。SCRさん、daddyさんの掲示板への書き込みから知り合いになった大ベテラン、河野さん(HNは”爺さん”)から頂いた中の一台である。
見るとおり非常にきれいな状態で、特に痛んだところは無い。わずかにレンズを引き出すノブ周りが欠けているが、大勢に影響なくこのまま使える。ボロボロが多いこのカメラだが、蛇腹も塗装もしっかりした貴重なカメラである。
この通り全部が簡単に外れ、127カメラとしては非常にフイルムが入れやすい。フイルムの送り側は止めが何もなく、テンションと平面性にはちょっと不安がある。赤窓なので巻上げの不安は無い。フォーマットは127フイルムで巾が約6センチ、いわゆるベスト判そのものだ。
ピント調整は無いしファインダーは極めて簡単なものだから、撮影は安全を見込んだ大雑把なフレーミングになる。密着焼付けでおおらかに楽しむ時代だから、これでも問題は無かったのだろう。
絞りは番号で調節、シャッターはインスタントとバルブのみ。ボックスカメラとほぼ同じ機能だ。
《試写》
アクロスにて実施した。ネガカラーなどは後日絵日記でご紹介する予定。
一枚目はほぼフルサイズ、二枚目はどうにもなら無いので半分ほどトリミングした。
第一回は光漏れで見事な失敗を作ってしまった。点検したが蛇腹が原因ではない。嵌めこみの周りからもれたものと推定された。そこで全ての合口をパーマセルテープで遮光してリベンジに向かった。
全画面だがまあ問題なく写るようになった。
まだ光が漏れることもあるが、まあこのカメラだから良いだろう。
☆とにかく軽く薄い。大きくないポケットでも入るから持ち歩くのは苦にならない。
いわゆる「ベス単フード外し」をしなくても、ボヤッとした良く言えばノスタルジック、悪く言えばボケボケのレンズだが、楽しい写真が写せる。キリキリしたピントは他のカメラに任せ、ベス単はゆったり感を味わうカメラと理解した。
河野様、楽しく貴重なカメラをありがとうございました。
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