Eta Etareta



チェコのカメラ、エタレータは実に原始的なカメラだ。沈胴式レンズ固定35oカメラで何の連動装置も無い。シンプルこの上ない構造で、ちょっとおしゃれとも必要なことだけやったとも言えるボディーがとくとょうといえば特徴か。

2月にたかさきさんのグループ展を見学に行った時、Higemouseさんが不思議なカメラがあると教えてくれたのがこれとメオプタのオプチネッタで、どちらも買い込んでしまった。理由はかのたかさきさんがこのカメラをとてもほめていたことにある。

半年も何を直していたのかと疑問に思う方もあろうが、原因がはっきりしない光漏れと気まぐれな結果に悩んでいたからである。テスト撮影は10本以上しているのだがなかなか思うようにならない。そうこうしている時にライターで写真家の中山慶太さんがマカロニアンモナイト(休止中)でこのカメラの特集記事を書かれていて、光漏れの原因についてアドバイスをいただき、これは是可否でも何とかせねばといろいろやってみたというわけだ。

先ずは型どおり構造について



これが軍艦部。シンプルこの上ないシステムだが、これでちゃんと巻き止めし、カウンターが作動する。



これは巻き上げノブ。クリップで留められているだけ。



裏の皮は剥がれていただけなので掃除して貼り直し。



前の皮は傷んでいたので補修した。その他レンズやシャッターの清掃や給油など定番の作業で一応完成











《試写》

ネガカラーはコダックの業務用100、モノクロはアクロスなどいろいろ



光漏れの中で比較的まともなカット、以下は対策後













☆対策後もシャッターが不安定なのか当たり外れが大きい。ボケているようで意外にピントの芯があったり何とも評価しにくい不思議なレンズだ。メオプタのベラーの端正な写りとは異質で、ボヘミアレンズと言えどそれぞれ特徴が違うと実感した。
カメラとしては、ごく原始的で距離計もセルフコッキングも無く、何とものどかに感じるが、写す人間にはいろいろ試練を与えてくれる面白いカメラではある。確実性はおよそ無いが、時に場外ホームランさえ打つ不思議な奴、でも妙に憎めない、そんな気がした。実に人間臭いとも言えるか。

Juiy 20/2009 kan


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