Ihage EXAKTA6X6

久しぶりのSコレクションから紹介する。エキザクタ6×6は良く見るペンタプリズムタイプではない。1952年に約2500台作られた縦型の一眼レフである。残っているのはごく少数だ。



まさに金属の塊という姿だが、意外にもあまり重くなく、ローライフレックスなどとほぼ同じである。



標準的には絞りの連動などは無いプリセットの80mmテッサーを乗せている。ハッセルのフォーカルプレーン機種と似たカメラと思えば間違いない。



エキザクタのロゴの入った前板が同時代のこの会社の35oと共通する。







フイルムホルダーは脱着式で交換できる。ただしヒキブタは無いので、途中での交換はできない。



わかりやすいように光らせて写したミラー。上下に分割されていて、レリーズすると上下に移動する。面積が十分広いので、長い球でも蹴られにくいそうだ。



ホルダー、ファインダー、コンデンサーレンズのようなピントグラスは取り外し可能で、システム化できる。



Ω巻きのホルダー。フイルムを入れるのはちょっと面倒だ。逆転防止ラチェットのスプリングが外れていたので掛けなおした。フイルムのスタート方法が不明だったが、巻き取り軸にスタートマークを出し、そこから4回コッキングするとちょうど良かった。



左上がカウンター、右上がシャッター速度、ボタンはカウンターリセット、中段左が巻上げ、右のレバーはシャッターロック、したのノブは長時間用のガバナーセットノブ(12秒まで機械式で露出できる)前板側はピントグラスの着脱レバー



反対側には前述のホルダーレバーや三脚座ネジ、右下の窓はメモ用で、レバーで消せる(子供のお絵かきボードと似たもの)、上のダイアルは用途不明。動かしても何も連動しないので、フイルム種類のメモ用か



交換用のmotar135o3.5、始めて聞くレンズだが、作りはとてもきれいだ。

《試写》

モノクロは400TX、ネガカラーはNS160を使った。





ここまでは80mm



135o



80mm



135o



80mm

☆珍品だが使いにくくは無い。プリセット絞りに慣れていればリズム良く写せる。スナップも制約はあるが可能だ。この後がペンタプリズム式になったのは、より一般性を求めたからだろうが、これはこれでじっくり写す道具として使える。
レンズは一級品だ。ピント精度が良くて震度が深く扱いやすい。一眼レフらしく近寄れるから用途が広いと感じた。

Sさん、楽しませていただきました。貴重なだけでなく良く写る良いカメラですね。


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