久しぶりに行ったキタムラに転がっていた。ニコンの「ピカイチ」シリーズだ。この機種はオートデートになったもの。クォーツ発振式時計がまだ貴重なデバイスだった頃の製品である。このレンズは非常に良いと評判なので手に入れて見た。当然のように電池室にパンクした電池の汚れがあり、電源は入らない。
見事にこびりついているが、幸にもまだ腐食はしていないようだ。
ちょっと分解して裏側までしっかり清掃したら復活した。
35mmでF2.8だ。ニッコールとは書いてないからOEMだろう（これは間違い。純粋にニコンの設計・製造である）
巻き戻すとこの位置で止まる。自家現像にはありがたい仕様だ
《試写》
モノクロはアリスタのプレミアム100、ネガカラーはFUJIのSP400にて
☆テスト撮影がいずれもすっきり晴れた日ということもあろうが、実にはっきりくっきりで明快だ。コンパクトカメラにありがちな遠景の弱さも無い。逆光補正とか感度切り替えとかテクニカルな設定は一切出来ないが、そういうことは全く気にしないで写せるし、ちゃんとした結果が出る。このレンズをLマウント化して使う人があるのが納得できる。フラッシュは勝手に出るが、押さえたままでちゃんとシャッターを切れるから、サブカメラとして使うのにも向いていると感じた。軍艦部は開きやすく掃除しやすい。整備を考えた仕様で、良心的な作りだと思う。ＯＥＭだろうが、きちんとニコンの考え方が反映しているカメラである。