ZEISS IKON IKOFLEX 1

このカメラは仲間の医学博士にして一流マジシャン、プー博士(ブログはメンバー限定に付リンク自粛)の「生前贈与」で、サムスルさんの所に直行する予定だったのだが、そこをインターセプトして、一週間だけ使わせていただいた。2型を持っているので、その変遷を見たかったのだ。



いかにも写りそうなノバーがついている。



レンズが少し曇っているので、清掃してみた。



古いシャッターだが、中はとてもきれいで快調なので、シャッターは確認のみ。大きいレバーの先を規制して低速を得ている所は、国産一眼レフのいくつかに見られる形式に近い。もちろんこちらが本家だろう。レバー比が小さい(作用点側の方が長居)割に操作は軽い。



背中には点検口がある。このおかげでレンズバレルの脱着などの作業性が良い。メンテナンスを前提にした良い設計だ。



フイルム装填は下の部分を抜き出す。内部にはロック部やカウンター駆動部が見えている。



高級な造りのリコーフレックスのような中子。巻上げレバーもここについている。



ここにカウンター駆動部がある。



大きいレバーがラチェット式巻上げ、小さい方はカウンターリセット用で、赤窓で1を出したらここでリセットする。



カウンター窓。ズレを覚悟し、赤窓を塞げば、220フイルムも使えるだろう。









《試写》

ネガカラーは富士のNS160、モノクロはアクロス









☆ノバーの描写は柔らかい。鷹の目と呼ばれたテッサーとは対象的に、軟調で被写体をふわりと表現する。だからと言ってピントが甘いわけではない。いかにも昔のカメラといったノスタルジックな表現は、無理に作ったソフトレンズより上品だ。

暗いファインダー、1/100秒までのシャッター、シャッターを切るのは頼りないレバーと決して使い良くは無いが、ゆっくりじっくり写すのには適している。特にモノクロの表現には上品さを感じる。カメラが超高級趣味だった時代の良いカメラだ。

☆プー博士、サムスルさん、ありがとうございました。楽しく貴重な資料になりました。


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